マップで分かる 小中学校の授業に役立つIT製品はこれだ小中学校の授業向けIT製品徹底ガイド【第1回】(1/2 ページ)

小中学校が授業で有効活用できるIT製品には、どのような種類があるのか。選定の第一歩として、主要な製品分野を整理しよう。

2018年06月11日 05時00分 公開

関連キーワード

EdTech | 教育 | 教育IT


画像

 これまでに、学校現場における「IT製品利活用の必要性」が幾度となく示されてきた。2018年度からは、2022年度までの5年間を対象期間とする国の「第3期教育振興基本計画」が動き始めており、その中においてもIT利活用の必要性や、IT利活用に向けた基盤整備の必要性が強くうたわれている。

 2020年度から適用される新学習指導要領では「主体的・対話的で深い学び」(アクティブラーニング)を基盤に、小学校においては英語を教科化したり、プログラミング教育を導入したりするなど、新たな取り組みも始まる。教員や学校が、限られた時間の中で児童生徒の深い学びを促進し、新たな取り組みにも対処するためには、授業におけるITの利活用が必須となる。

 ところが学校のIT環境整備は、まだ十分とはいえない。文部科学省が公表した「平成28年度 学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果」を見ると、「教育用コンピュータ1台当たりの児童生徒数」は全国平均で5.9人、「普通教室の無線LAN整備率」は29.6%、「普通教室の電子黒板整備率」は24.4%にとどまっている。整備状況はいずれも都道府県によって大きなばらつきが見られる。例えば「教育用コンピュータ1台当たりの児童生徒数」では、1台当たり1.9人(佐賀県)~8.0人(神奈川県)といった具合だ。

 文部科学省は「地方公共団体間のIT環境整備状況には格差があり、このことは児童生徒の学習環境の格差につながる恐れがある」と指摘。各教育委員会に対して整備を促している状況であり、今後はIT環境整備が進むと考えられる。

小中学校の授業向けIT製品選定を妨げる課題

 授業向けIT製品を選定する教育委員会の担当者からは、

  • どのようなIT製品があるのか把握できていない
  • “リーズナブル”で、かつ先生や児童生徒にとって使いやすいIT製品が見つからない
  • どのような順序で整備すべきか分からない

といった声が多数聞かれる。これは製品選定に当たる人と、実際に教える立場にある教員との間に認識のギャップがあることや、教員間でも“使いたい機能”に違いがあることに起因していると考えられる。

 本連載はこうしたギャップの解消を図るべく、主に公立小中学校を想定し、授業に役立つ主要なIT製品をあらためて整理する。第1回は、整備すべき製品と整備プロセスについて紹介する。第2回以降は、利用者側である教員や児童生徒側からの目線、選定者側からの目線の両方から、各製品のメリットやデメリットについて説明する。

小中学校の授業に役立つIT製品マップ

 2017年8月、文部科学省が「学校におけるICT環境整備の在り方に関する有識者会議 最終まとめ」(以下、ICT環境整備最終まとめ)を提示し、同年12月には「平成30年度以降の学校におけるICT環境の整備方針について」を公表した。これらでは「このレベルまでは最低限整備してほしい」という国の“思い”を反映している。各自治体は、まずこのとりまとめをゴールの一つとして、学校のIT環境整備を進める必要がある。

 本連載ではこれらを基に、授業に役立つIT製品マップとして、以下の通り整理した(図1、表)。

会員登録(無料)が必要です

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

       1|2 次のページへ

髫エ�ス�ス�ー鬨セ�ケ�つ€驛「譎擾スク蜴・�。驛「�ァ�ス�、驛「譎冗樟�ス�ス驛「譎「�ス�シ驛「譏懶スサ�」�ス�ス

製品資料 LRM株式会社

従業員のセキュリティ教育を効果的に行い、サイバー攻撃から自社を守るには

サイバー攻撃の脅威から自社を守るには、従業員のセキュリティ教育を効率的・効果的に行い、一人一人の意識を向上させることが重要だ。その実践を“自動化”でサポートするサービスを取り上げ、機能や特徴を紹介する。

プレミアムコンテンツ アイティメディア株式会社

「ITエンジニア」になりたがらない女子生徒の本音

技術系キャリアを検討する女子生徒は増加傾向にあるものの、全体的に見た割合は十分ではない。IT分野が女子生徒から敬遠されてしまう理由とは。

プレミアムコンテンツ アイティメディア株式会社

オンライン教育中の成績評価は「データ分析」が鍵 その中身とは

オンライン教育の導入により、教育機関はさまざまな場所に存在する学習者の主体的な学習を促し、評価する必要に迫られた。その有力な手段となり得るデータ分析の取り組みを事例と共に紹介する。

プレミアムコンテンツ アイティメディア株式会社

教育機関が進めるデータ分析の実態 そのメリットと課題とは?

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を契機にオンライン教育が普及した。これに伴い、教育活動で収集するデータの分析や活用に教育機関が頭を悩ませている実態が浮き彫りになった。

プレミアムコンテンツ アイティメディア株式会社

大学の「IT製品導入」成功のこつ 学生も教職員も満足させるには?

学生や教職員など多様な立場の人が関わる大学で、誰もが満足するIT製品・サービスを導入するのは至難の業だ。テネシー大学の事例から5つのこつを紹介する。

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

ITmedia マーケティング新着記事

news027.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...

news025.png

「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。