撮影や編集に手間が掛かり、難しいといった先入観から、動画活用に二の足を踏む教員は少なくないだろう。いち早く動画活用を進めてきた教員が薦める、手軽に使える動画活用支援アプリケーションを紹介する。
効果的かつ多彩な授業を展開する上で、動画の活用は大いに役立つ。ただし実際に活用するとなると、二の足を踏む教員もいるだろう。動画を教育手段として活用することの新しさに加え、「動画の撮影作業や編集作業には、専門知識が必要なのではないか」という先入観も、活用を遠ざける要因になり得る。幸いなことに、現在は動画の撮影や編集を容易にしたり、動画を使った効果的な学習を可能にしたりするアプリケーションが急速に充実している。
第1回「『プログラミング教育』は“競争に勝ち抜く社会人”を育てる手段になる?」に続く今回は、IT活用教育を進める教育者チーム「iTeachers」のメンバーが薦める、動画活用支援アプリケーションを紹介する。IT活用教育にいち早く取り組み、さまざまな課題に対処してきた教員が紹介するアプリケーションだけに、他の教員にとっても大いに参考になるはずだ。第1回と同じく、特定非営利活動法人(NPO法人)のiTeachers Academyが2017年10月に開催したイベント「次世代教員養成フォーラム2017」の講演内容を基にした。
動画教材や学習支援システムの充実で、学習者がオンライン講座を受講したり、自由な時間に動画教材を視聴して学んだりすることは、もはや珍しくなくなった。授業と予習の役割を一部逆転させる「反転授業」でも、動画教材は大きな役割を果たす。反転授業では、学習者は動画教材で基礎的な知識の習得を済ませ、授業では学んだ知識を基に応用問題に取り組んだり、ディスカッションをしたりする。
授業の復習や課題の説明、授業時間内では教えきれなかった内容の補足など、動画教材の用途は幅広い。授業外での活用例が目立つが、授業の中で動画教材を活用する例もある。デジタルハリウッド大学准教授/デジタルハリウッド専任講師の栗谷幸助氏は、対面学習とeラーニングによる学習を組み合わせた「ブレンデッドラーニング」の一環として、通常の講義内に動画による自主学習を盛り込む実践を重ねてきた。
教材用の動画撮影に役立つアプリケーションとして栗谷氏が紹介するのが、Windows、macOS、Ubuntu搭載デバイスで利用できるオープンソースの動画撮影・配信アプリケーション「OBS Studio」だ。デバイスの画面を連続してキャプチャーし、動画として保存できる。Webカメラ付きのデバイスで利用すれば、Webカメラで撮影した映像を保存することも可能だ。「YouTube」などの動画共有サイトで活躍するゲーム実況者の中には、OBS Studioの愛好者が少なくないという。
Webカメラを備えたノート型デバイスにOBS Studioをインストールすれば、プレゼンテーション中にその様子を録画/録音し、簡単な編集をするだけで動画教材として仕上げることができる。背景を切り抜いて合成する「クロマキー合成」の機能も搭載。「グリーンバック」「ブルーバック」といった単一色の撮影用背景を併用すれば、背景を自動的に透過処理することが可能だ。動画撮影・編集の専門家ではない人の間で広く利用されているソフトウェアなので、気軽にトライできるだろう。
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