ドイツの学校では「Microsoft 365」が“使用禁止”に その理由は?独の学校で「Microsoft 365」使用禁止、なぜ?【第1回】

ドイツでは、教育機関での「Microsoft 365」の使用を禁止する動きが広がっている。ドイツ規制当局は、Microsoft 365の何が問題だと考えているのか。

2023年01月26日 05時00分 公開

 Microsoftのサブスクリプション形式のオフィススイート「Microsoft 365」(Office 365)。ドイツの規制当局は、このMicrosoft 365を教育機関で使用することを禁止している。その理由は

  • プライバシーの懸念があること

だという。

 ドイツ連邦と16州のデータ保護監督機関で構成されるドイツデータ保護会議(DSK)は、Microsoft 365が個人データを収集、処理する方法について「透明性に欠ける」と判断。第三者が個人データにアクセスする可能性もあると考えている。そのためMicrosoft 365の使用は、EU(欧州連合)の個人情報保護規則「一般データ保護規則」(GDPR)に適合していないというのが、DSKの見方だ。

Microsoft 365はなぜ透明性を欠くのか DSKの見方とは?

 DSKはMicrosoft 365について、報告書で「Microsoftはどのようなデータ処理が実施されているかの詳細を公表しておらず、データ処理の目的も不透明だ」と主張。そのことが「Microsoft 365を利用している組織のためなのか、それともMicrosoft自身のためなのかが分からない」と説明する。こうしたことから、Microsoft 365の利用に際して、プライバシーが保たれているかどうかの判断が難しいとDSKは言う。

 「Microsoftは自社の目的のために、エンドユーザーの個人データを利用している可能性がある」とDSKは考えている。そのため教育機関をはじめとした公共施設に対して、Microsoft 365の使用を禁止しているという。


 第2回は、個人情報保護を巡る欧州の見解を取り上げる。

Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術

米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

From Informa TechTarget

「テレワークでネットが遅い」の帯域幅じゃない“真犯人”はこれだ

「テレワークでネットが遅い」の帯域幅じゃない“真犯人”はこれだ
ネットワークの問題は「帯域幅を増やせば解決する」と考えてはいないだろうか。こうした誤解をしているIT担当者は珍しくない。ネットワークを快適に利用するために、持つべき視点とは。

ITmedia マーケティング新着記事

news017.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news027.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...