American Expressが5000人のIT人材採用計画を進めるなど、金融サービス分野でIT人材の採用が拡大する傾向にある。採用を強化する理由は何か。
金融サービス分野で急速にデジタル化が進む中で、大手クレジットカードブランド会社American Express(Amex:アメックス)は、ビジネスの成長を支えるためにIT人材の採用を推進している。通信社Bloombergの2022年9月の報道によると、Amexが2022年に進めたIT人材採用では、採用計画数が5000人以上に上った。
Amexの広報担当者によれば、採用計画の中心は製品およびエンジニアリングの職務に就く従業員だ。対象職務はソフトウェアエンジニア、データサイエンティスト、プロダクトマネジャー、情報セキュリティスペシャリスト、モバイルエンジニアなどを含む。
IT人材を積極的に採用する動きが、Amexをはじめとする金融サービス企業の間で広がっている。これはFinTech(金融とITの融合)の急速な普及に伴い、IT企業の金融サービス業への新規参入が相次いでいることが背景にある。
大手の銀行やカード会社など、老舗の金融サービス企業は、既に巨大なIT部門を擁している。だが競争環境の変化によって、さらなる従業員の追加が必要になっている。
5000人のIT人材を増やすことは、全世界にいるAmexの従業員を約6万人から約8%増やすことに相当する。英国金融業界のあるIT専門家によると、これは「大きな動き」だ。
AmexがIT人材を採用する目的は、金融業界で進むカスタマージャーニー(顧客が購入・契約に至るまでのプロセス)のデジタル化のためだというのが、このIT専門家の見方だ。一方で「業務自動化を進めれば、Amexでは一部の職で必要な人員が減り得る」と、このIT専門家は指摘する。その一つが対顧客業務だ。金融業界は対顧客業務のIT化を進めており、この役割を担う従業員を削減する可能性がある。
後編は、Amexが優秀なIT人材を獲得するために実施している人事制度を紹介する。
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