公立学校は“遅いVDI”をどう解消? 最大900ミリ秒の遅延が1ミリ秒以下に米公立校区のストレージアレイ移行体験談【第1回】

米国のシムズベリー公立学区は、VDI(仮想デスクトップインフラ)の応答時間の遅延に悩まされていた。同校区のIT担当者は、この問題にどう対処したのか。

2022年11月10日 10時30分 公開
[Adam ArmstrongTechTarget]

 米コネチカット州にあるシムズベリー公立学区(Simsbury Public Schools)は、ストレージアレイの老朽化問題を抱えていた。同学区はVMware製品を使用してVDI(仮想デスクトップインフラ)を構築し、約2000台のVM(仮想マシン)を教員用に使用している。

遅延を劇的に抑えた“VDI“爆速化”の中身とは?

 2017年頃から、シムズベリー公立学区では運用中のストレージ容量を上回るデータを扱う必要が生じたことで、VMの応答が遅延するようになった。VMの応答遅延に気付いたのは、同学区のネットワークマネジャーを務めるレイ・ベルナカトラ氏だ。応答時間は平均50ミリ秒、時には900ミリ秒に達したという。「オンラインホワイトボードに書き込んだり、書画カメラで資料を映そうとしたりすると、かなり時間がかかるようになった」とベルナカトラ氏は当時を振り返る。

 シムズベリー公立学区はDellのストレージ製品群「Dell EqualLogic」のストレージアレイを9台運用していた。これらのストレージアレイからデータを読み出し/書き込みする処理が遅れ気味になっていたのが、応答遅延の原因だった。同製品がデータ圧縮機能を備えていなかったことも懸念材料だったという。

 そこでシムズベリー公立学区はストレージアレイの刷新を決めた。その結果採用したのがストレージアレイベンダーDataDirect Networks(DDN)の製品だ。これにより、従来に比べて読み書き処理の速度を高めつつ、省スペースなストレージシステムを実現し、平均50ミリ秒だったVMの応答時間を1ミリ秒以下に低減できた。


 第2回は、シムズベリー公立学区がストレージアレイの刷新に当たって、クラウドサービスではなくオンプレミスのストレージアレイを選んだ理由をベルナカトラ氏に聞く。

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