クラウドサービスの利用が広がっているものの、クラウドサービスが常に“最適解”とは限らない。このような場合に役立つのが「オンプレミスクラウド」だ。
クラウドサービスのメリットをオンプレミスインフラでも得られるようにする――。クラウドベンダーは、そのための製品やサービスの開発を進めている。
IaaS(Infrastructure as a Service)をはじめとしたクラウドサービスへのワークロード(アプリケーション)移行は、全てのユーザー企業やアプリケーションベンダーにとって最善の選択肢というわけではない。機密性が極めて高いアプリケーションや、移行コストが高価になるアプリケーションは、クラウドサービスへの移行が難しくなる傾向がある。
クラウドサービスの利点をオンプレミスインフラで得られるようにしたい――。こうしたニーズに応える手段として、ユーザー企業のオンプレミスインフラをプライベートクラウド(リソース専有型クラウド)化する「オンプレミス型プライベートクラウド」(以下、オンプレミスクラウド)がある。
オンプレミスクラウドは新しい考え方ではない。「オンプレミスクラウドの実現に必要な技術と、オンプレミスクラウドを求めるユーザー企業の需要は急激に上昇している」。システムインテグレーターのWorld Wide Technology(WWT)でプライベートおよびハイブリッドクラウドソリューション担当のディレクターを務める、クリス・ワイス氏はこう話す。
第2回は、ユーザー企業がオンプレミスクラウドを求める理由を掘り下げる。
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