パブリッククラウドとの比較が分かりやすい
「プライベートクラウド」「パブリッククラウド」「コロケーション」の違いは?
コロケーション施設を使ってプライベートクラウドを構築することはできる。ただしコロケーション施設を使えば常にプライベートクラウドになるわけではない。パブリッククラウドも含めて、3つの用語の違いを探る。
「プライベートクラウド」という用語は「コロケーション」に置き換えて使うことができると誤解されている場合がある。実際には、この2つの用語の意味は明確に異なる。プライベートクラウドでは、ユーザー企業の担当者がテナント(管理者とエンドユーザーで構成されるユーザーグループの単位)の管理者となる。これに対してコロケーションでは、ユーザー企業はベンダーが運営するデータセンターのフロアスペースを借りて、自社のサーバやネットワーク機器といったハードウェアを運用する。
企業がコロケーション施設内でプライベートクラウドを運用することはできる。ただしコロケーション施設を利用することが、プライベートクラウドを構築・運用することを意味するわけではない。その環境がプライベートクラウドとコロケーションのどちらに該当するかは、ハードウェアの所在場所ではなく、機能の仕方によって決まる。
併せて読みたいお薦め記事
より広く「プライベートクラウド」を理解する
「脱クラウド」という選択肢も
「パブリッククラウド」を引き合いにして理解する
プライベートクラウドとコロケーションの違いを理解するために「パブリッククラウド」の定義を考えてみよう。パブリッククラウドのユーザー企業は、自社の拠点から離れた遠隔地のデータセンターのリソースを利用する。ただしデータセンターの所在地はパブリッククラウドの定義には関係がない。
パブリッククラウドの主な特徴は、ユーザー企業のリソース使用量に応じてベンダーが課金するマネージドサービスであることだ。そのクラウドサービスが真のパブリッククラウドであるかどうかは、複数のテナントに対してマネージドサービスを提供しているかどうか、つまりマルチテナント型マネージドサービスかどうかで決まる。
コロケーションとパブリッククラウドの違い
コロケーションベンダーはパブリッククラウドとは異なり、一般的にはマネージドサービスを提供しない。コロケーション施設は単純な共有型のデータセンターだ。フロアスペースや電源、冷却設備、ネットワークなどをコロケーションベンダーがユーザー企業に提供する。
企業がコロケーション施設のスペースを利用する場合、ラックやサーバといったデータセンターを構築するためのハードウェアを用意する必要がある。自社が保有するハードウェアであるため、ユーザー企業は必要に応じてそのハードウェアを自由に使用できる。
プライベートクラウドとコロケーションの違い
プライベートクラウドは、パブリッククラウドともコロケーションとも異なる。だが類似点もある。
「ユーザー企業が自社保有するデータセンター(オンプレミスデータセンター)でサーバをホスティングすることが、プライベートクラウドだ」と考えている人もいるだろう。事実、そうしたオンプレミス型プライベートクラウドを構築している企業は少なくない。ただし自社データセンターを保有していなくてもプライベートクラウドを運用することはできる。
プライベートクラウドのほとんどは、ベンダーが保有するデータセンターやハードウェアを活用するホスティング型プライベートクラウドだ。パブリッククラウドと同様、ホスティング型プライベートクラウドはマルチテナント型のクラウドサービスとして機能する。コロケーション施設は、マルチテナントである点はホスティング型プライベートクラウドと共通しているが、類似性はそこまでだ。
パブリッククラウドと同様、ホスティング型プライベートクラウドは一般的にソフトウェア定義によって境界を設定し、テナント同士を仮想的に切り離す。パブリッククラウドベンダーは自社サービスを複数のユーザー企業向けに提供しているが、ホスティング型プライベートクラウドはユーザー企業の内部のテナントにサービスを提供するために設計される。例えば大企業の各部門がテナントとなり、その企業のIT部門が提供するテンプレートに基づいて仮想マシン(VM)を作成して利用できる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[株式会社ラクス] どうすれば「変革を楽しむ組織」になれるのか? 事例に学ぶ、未来への一歩 -
製品レビュー
[デル・テクノロジーズ株式会社] 変化するサイバー脅威に備える、これからのストレージの選び方 -
事例
[サイボウズ株式会社] 受注約1.5倍と年間2万3000時間超の業務時間を削減、日機装に学ぶDX実践術 -
製品レビュー
[サイボウズ株式会社] 人材不足にどう挑む? ものづくり太郎が語る、製造現場でのAI活用成功の鍵 -
市場調査・トレンド
[グーグル・クラウド・ジャパン合同会社] 金融機関はAIエージェント導入でどう変わる? 7つの変化から19の事例まで解説
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
いまIBM iエンジニアが直面する「5つの技術的課題」とその解決策
-
2
RAGで「データをAIに送る」運用が限界を迎えている理由
-
3
Microsoft 365侵害企業の9割はMFA導入済み 1002人調査で見えた盲点
-
4
SAPの負荷増に苦しむZeissが「リアルタイム分析」「安定運用」を両立させた道
-
5
なぜ「Claude Code」拡張は消しても危ないのか? Cursorで不正版配信
-
6
「Kubernetesプラットフォーム」に関するアンケート
-
7
PHPはそもそも必要か? 脆弱性で問われる自社サイト安全性と保守負担のバランス
-
8
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
9
【基本情報技術者試験】データ消失リスクを防ぐ3つの「バックアップ手法」を比較
-
10
IT製品の導入に関するアンケート「セキュリティ」編
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
2
侵入から横展開まで27秒の脅威にどう立ち向かう? 防御のカギがEDRの理由
-
3
有識者が語る、中堅中小企業に求められる最新のサイバーセキュリティ対策とは
-
4
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
5
10G回線の真価をフルに享受するには? 導入前にチェックしたいポイント
-
6
なぜAIは組織で定着しないのか? 全社展開を阻む「3つの壁」と突破のヒント
-
7
パスワードレスへの移行で失敗しないためには? 導入・運用上の注意点を解説
-
8
自社のセキュリティ対策は大丈夫? 自己診断リストで対策の優先順位が分かる
-
9
ランサムウェア攻撃“究極の対策”はこれだ
-
10
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー