公共サービスにおける「5G」の提供と活用の支援に取り組む英国政府。5Gで実現する、学校や介護施設での先進的な取り組みとは。
英デジタル・文化・メディア・スポーツ省(DCMS)は、「5G」(第5世代移動通信システム)の実証実験プロジェクトに取り組んでいる。その一環のプロジェクト「Liverpool 5G Create: Connecting Health and Social Care」(Liverpool 5G Create)は、公共サービスにおける5Gの活用を目的にする。
本稿は、Liverpool 5G Createの取り組みとして、ロンドンのケンジントン地区の小学校Phoenix Primary Schoolと、介護施設Rowan Garth Care Homeの事例を紹介する。
Phoenix Primary SchoolはLiverpool 5G Createが提供する無料の5G接続を活用し、児童の自宅でのオンライン学習を支援する。児童はGoogleのOS「Chromebook OS」を搭載したノート型デバイス「Chromebook」で、ストレス発散ゲーム「Chill Panda」を利用できる。Chromebookはリバプール市議会が提供する。Chill Pandaはリバプールのゲーム開発企業CGA Studio Gamesが開発した。ゲームの設計には児童心理学者のキャロライン・ベルチャー氏が携わっている。ゲームでは以下のような心理学の手法を取り入れている。これを実現するために5Gを活用する。
Rowan Garth Care Homeは、入居者のベッドの下に医療機器メーカーVitalerterのセンサーを設置する。このセンサーは入居者の睡眠パターンと睡眠中の動きの変化を施設のスタッフに通知する機能を持ち、入居者の転倒や床ずれ防止に活用できる。他にも、同施設は「ハグベスト」を試験導入している。これは5Gに接続するアプリケーションと連携するベストで、入居者は着用時に友人や親戚から「抱きしめられている感覚」を得ることができる。
他にもRowan Garth Care Homeは、ビデオゲーム会社Eden Universeと連携している。これはDCMSが資金を提供する、英国のコーンウォール州にある温室「Eden Project」が取り組むプロジェクトの一環だ。入居者は5Gに接続するヘッドセットとAppleのタブレット「iPad」を用いて動画コンテンツを視聴し、仮想空間で再現したEden Projectを訪問するといった楽しみ方ができる。
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