女性に対するITを駆使した嫌がらせ行為「デジタルハラスメント」が後を絶たない。DV被害者支援団体Refugeは、どのような対策を提唱するのか。
暴力を振るうパートナー(配偶者や恋人)と別れた際のデジタルハラスメント(ITによる嫌がらせ)から、女性のオンライン行動を守るためのツール「Digital Break-Up Tool」。その公開に際して、DV(家庭内暴力)被害者を支援する団体Refugeは、パートナーや元パートナーのITサービスのパスワードを知っている人が一定数いることに警鐘を鳴らした。RefugeのCEO、ルース・デービッドソン氏は、このことについて「非常に憂慮すべきだが、氷山の一角にすぎない」と考える。デービッドソン氏が特に危惧するのは、
の存在だ。
パートナーや元パートナーによるITサービスの不正利用に関する問題は、深刻化している。デービッドソン氏は、そうした問題の具体例として以下を挙げる。
「加害者は女性を支配して虐待するための新たな手段を、さまざまなITの中から見つけ出している」とデービッドソン氏は懸念する。ITを使った暴力に対する認識を強めることの重要性を同氏は強調。相手が暴力的かどうかにかかわらず、女性が人との関係を断つときは、別れた相手との間に明確な境界を設けることを同氏は奨励する。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)中に、「ITを悪用した暴力が活発になった」とRefugeは警告する。Refugeはさまざまな組織と組み、デジタル世界で積極的に活動中だ。金融グループBarclaysが資金を拠出し、2021年にRefugeが開設したWebサイト「RefugeTechSafety.org」は、デジタル技術を悪用した暴力を克服した人の意見を参考にしている。
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