「テレワーク」をやっぱりやめたくない“これだけの理由”「何でもデジタル」は“薬”か“毒”か【前編】

Deloitte Developmentの調査によると、米国のテレワーク経験者のうち99%がテレワークの何らかの点を評価し、約8割が継続を求めていた。テレワークの何が、それほどまでに良いのか。

2022年09月01日 08時15分 公開
[Joe O’HalloranTechTarget]

関連キーワード

スマートデバイス | 在宅勤務


 消費者は生活をデジタル化することで、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)に適応している――。コンサルティング会社Deloitte Developmentがまとめた調査レポート「Connectivity and Mobile Trends」2022年版は、こうした実態を明らかにした。同レポートは、2022年第1四半期(2022年1〜3月)に米国の消費者2005人を対象にオンラインで実施した調査結果をまとめている。

だから「テレワーク」をやめられない

 COVID-19のパンデミックの影響で2021年には、消費者がさまざまな活動を家庭に持ち込んだ。“社会のあらゆる活動をデジタル化するためのβテスト”とも言える状況が生まれ、消費者は仕事も、学業も、医療も、運動でさえも、オンラインでこなすことを強いられた。消費者は新しいデジタルデバイスを手に入れ、ネットワークをアップグレードし、時に手に負えない状況になるときがあっても素早く順応した。

 2022年はテレワークからオフィスワーク、オンライン教育から対面教育への回帰が進み、一般家庭で利用するデジタルデバイスやネットワークの整備に対するプレッシャーは軽減された。それでも消費者はオンラインと現実のバランスを取りながら、自分が使うデジタルデバイスを最適化し、自分が気に入ったオンラインサービスを選んで過ごしている。

 今回の調査で「少なくとも部分的にテレワークをしている家族が1人以上いる」と答えた回答者は45%だった。2021年の55%から減少した形だ。回答者のうち被雇用者で成人である人の47%は、過去1年の間に少なくとも勤務時間の一部をテレワークにしたことがあった。テレワークの経験がある回答者のうち75%は、今後も完全テレワークまたはテレワークとオフィスワークを組み合わせた「ハイブリッドワーク」をしたいと答えており、「主に」または「全面的に」対面で働きたいという回答は合計21%にとどまった。

 過去1年の間にテレワークをしたことがある回答者の99%は、テレワークに「評価できる点があった」と答えている。回答者が評価していた点のトップ5は以下の通りだ。

  1. 通勤せずに済む
  2. 自宅という快適な環境で勤務できる
  3. COVID-19をはじめとする病気になる可能性を減らせる
  4. 集中力が高まる
  5. 家族関係を改善し、つながりを深められる

 回答者は総じて「家族関係」「同僚との関係」「管理職との関係」「身体的・精神的健康状態」に対して、テレワークが悪い影響をもたらしたとは感じていない。テレワークを経験した回答者に、テレワークがそれぞれの要素にどのような影響を与えたかを尋ねたところ、どの項目においても「改善した」と「変わらない」の合計が8割を超えていた。


 中編は、オンライン業務と対面業務の併用が進む、医療・ヘルスケア分野の動向を紹介する。

Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術

米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。

ITmedia マーケティング新着記事

news054.jpg

「Threads」が月間アクティブユーザー1億5000万人を突破 今後Xを追い抜くための最善策は?
Metaはイーロン・マスク氏率いるTwitter(当時)の対抗馬として2023年7月にリリースした...

news060.jpg

Z世代が考える「日本が最も力を入れて取り組むべき課題」1位は「ジェンダー平等」――SHIBUYA109 lab.調査
SDGsで挙げられている17の目標のうち、Z世代が考える「日本が最も力を入れて取り組むべき...

news061.png

高齢男性はレジ待ちが苦手、女性は待たないためにアプリを活用――アイリッジ調査
実店舗を持つ企業が「アプリでどのようなユーザー体験を提供すべきか」を考えるヒントが...