長い歴史を持つ「Oracle Hyperion」が目指すのは単なる制度連結ではない。高度な分析や予測機能、データ基盤を使ったグローバルで利用できる経営管理ソリューションの提供だ。
海外ベンダーが提供する連結会計ソリューションの中でも、特に多くのユーザーに採用されている製品の1つが「Oracle Hyperion Financial Close Suite」だ。同製品は、長く米ハイペリオンにより提供されていたが、2007年に同社がオラクル に買収されたことに伴い、以降はオラクル製品の1つとして提供されている。
ハイペリオンといえば、EPM(Enterprise Performance Management:企業パフォーマンス管理)分野をリードしてきたベンダーとして知られる。現在、オラクルから提供されている旧ハイペリオン製品は「Oracle Enterprise Performance Management」(Oracle EPM)という製品スイートにまとめられており、その中に企業戦略策定や予算管理、業績予測、原価管理など、EPMソリューションの各機能をそれぞれ担うパッケージ製品が含まれている。
その中で連結会計も、グループ企業のEPMを実現する上での重要な機能の1つとして、Oracle Hyperion Financial Close Suiteというパッケージ製品群の形で提供されている。同製品はグローバルレベルでは長い実績を持っており、日本国内でも既に数百社の企業が連結会計業務に適用しているという。
ただし、同製品をいわゆる連結会計パッケージとして捉える人は、あまり多くないかもしれない。実際のところ連結会計、特に制度連結の機能はあくまでもソリューション全体の中の一部分であり、むしろグローバル企業の連結経営を支援するための管理連結の機能がメインになっている。
そんな中、オラクルでは、2009年から同製品の制度連結機能の強化を進めつつある。日本オラクル 執行役員 EPM/BI事業統括本部長 関屋 剛氏は、次のように説明する。
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