オムロンが新経営管理システム構築、製造業が学べることとは「Oracle EPM&BI Summit 2011」リポート【前編】

次の打ち手を示すことで企業の成長を支援する経営管理システム。オムロンは30年使ってきたメインフレームベースのアプリケーションを刷新し、意思決定スピードを向上させる新経営管理システムを構築した。

2011年08月08日 09時00分 公開
[垣内郁栄,TechTargetジャパン]

 企業の予算や実績を管理し、次の打ち手を早期に示す経営管理システムが注目されている。これまで管理会計といわれていたカテゴリのシステムだが、経営管理システムでは企業グループ全体を対象に、リアルタイムに予実を管理し、さらにシミュレーション機能によって次のアクションを指し示すことができるという特徴がある。8月3日に開催された日本オラクル主催の「Oracle EPM&BI Summit 2011」ではこの経営管理に取り組む企業の事例が多数発表された。今回はその中から前編としてオムロンの事例を紹介しよう。

急速な事業のグローバル化に対応

 「新連結決算システムは2010年5月に本番稼働した。これまでのシステムとの並行稼働はせず、一気に切り替えた。リスクだったがそうしないと20年来使ってきたシステムをなくせなかった」

 オムロンのグローバルプロセス革新本部 IT革新センタ IT経営構造改革アドバイザーの西阪啓一氏は講演でこう話した。オムロンは2000年代後半からITシステムを含めた社内の構造改革を進めてきた。危機感としてあったのは事業が急速にグローバル化する中で、経営陣が各事業の現状を把握できず、またシステムや業務の統制ができなくなることだった。同社の海外売上比率は2000年に29%、それが2010年には50%まで増加した。オムロングループ3万5684人の従業員のうち、海外子会社の社員は2万4263人。オムロンは世界で稼ぐことを目指す「日本の製造業の縮図のようになっている」(西阪氏)のだ。

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