読めば分かる! BI(ビジネスインテリジェンス)ツールの種類と必要な機能まる分かりIT基礎解説「BI」

BIツールは大きく分けて4つの種類がある。本稿では各BIツールの種類を企業における意思決定プロセスにひも付けて解説するとともに、各ツールに求められる機能を紹介する。

2011年03月30日 09時00分 公開
[平井明夫,アイエイエフコンサルティング]

BI導入の目的とBIツールの分類

 ビジネスインテリジェンス(BI)ツールの導入は、企業の意思決定と実行を合理的に行うことを目的としている。しかし、企業における意思決定プロセスは複雑だ。例えば、経営層は戦略的な意思決定を行うが、この層における意思決定は以下のような複数の段階を経て行われる。

経営層における意思決定プロセス

1.経営戦略や経営計画の立案

2.事業部門への指示と実行

3.月次などで行う経営会議でのモニタリングと問題点の分析の指示

4.問題点の分析と問題点を修正するための意思決定と指示


 一方、現場に近い部門の意思決定は以下のような流れとなる。

現場部門における意思決定プロセス

1.全社の戦略に沿った部門別の計画立案

2.部門での業務実行

3.日々のモニタリング

4.問題点の分析と上位部門への報告や修正


 BIツールの導入で効果を上げるためには、このような意思決定プロセスの中に、BIツールによるデータ分析業務を「組み込む」必要がある。つまり、経営層向けのデータ分析であれば、経営戦略や経営計画を立案するためのデータを経営者や経営部門のスタッフに提供したり、月次の経営会議で使用するKPI(重要業績指標)はもちろん、日々のKPIの変化をモニタリングできるようにしたり、問題点の原因分析を行い、計画を修正するためのデータを提供することが重要だ。これは現場に近い部門でも同様である。部門別の計画立案を支援するデータの提供を行い、日々の業務のモニタリングを提供し、問題点の分析や上位部門への報告ができるようなデータを提供する必要がある。

 このような複雑化した意思決定プロセスに対して、BIツールを効果的に適用するためには、BIツールの機能と特徴を整理・分類しておき、意思決定プロセスの各局面において、適切なBIツールを選択・適用すべきだ。BIツールの種類と、適用すべき意思決定プロセスの局面を整理したものが以下となる。

BIツールの種類と適用すべき意思決定プロセスの局面
BIツールの種類 適用すべき意思決定プロセスの局面
リポーティングツール 問題の兆候を発見する
OLAP分析ツール 問題の要因を検証する
データマイニングツール 対処のヒントを得る
プランニングツール 計画の根拠を得る

 とはいえ、必ずしも全ての機能を持ち合わせたスイート製品を一度に導入すべきというわけではない。自社でどの部分の意思決定に最も時間がかかっているのか、苦労しているのかを判断し、必要なところに最適なツールを導入することで、効果を上げられるだろう。

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