IFRSが話題となっている要因は経営管理のあり方に大きな影響を及ぼす可能性があるからだ。IFRSで影響を受ける経営管理の分野は多岐にわたるが、ここでは情報システムと関連がある領域を中心に検討する。
IFRSがこれほどまでに大きな話題となっている要因は、単に「会計基準」の大幅な変更と、それに伴うプロセス/情報システムの変更に多大な手間とコストを要するからだけではなく、経営管理のあり方に大きな影響を及ぼす可能性があるからである。IFRSにより影響を受ける経営管理の分野は多岐にわたるが、ここでは情報システムと関連がある領域を中心に検討する。
(1) 経営管理レベルを反映するマネジメント・アプローチ
IFRSと日本会計基準とのコンバージェンス・プログラムの中期項目の1つである「セグメント情報」について、企業会計基準委員会は2008年3月、企業会計基準第17号「セグメント情報等の開示に関する会計基準」(以下17号という)及び企業会計基準適用指針第20号「セグメント情報等の開示に関する会計基準の適用指針」を公表した。 17号ではIFRSに倣い、経営上の意思決定を行い、業績を評価するために経営者が企業を事業の構成単位に分別した方法を基礎とする「マネジメント・アプローチ」が導入されている。つまり、「管理会計」を基礎としてセグメント情報を作成する必要があり、もし両者の間に重要な差異がある場合には、その内容を個別に開示しなければならない。
そのためには、いわゆる「制管一致」、あるいは「制管不一致」の場合にはその差異の調整が可能となるような会計記録が必要となる。また、管理会計における「管理単位」は、現行のセグメント情報の「事業別」「地域別」「海外売上」に限定されるわけではなく、通常、多階層かつ多次元で行われている。一方、それらは全勘定科目ではなく、損益計算書の売上高や営業利益など部分的なものであることが多い。基本的にはこれらの情報を基礎としてセグメント情報を作成することになるため、結果としての投資家をはじめとする利害関係者からは数値のみならず、「管理会計」が経営上の意思決定に当たって必要かつ十分なものであるかどうかの評価も行われるといっても過言ではない。
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