ERPパッケージで最も重要な機能といえる財務会計、管理会計。企業によってその活用方法も大きく異なる。両機能の標準的な機能と製品選択のコツをお伝えする。
ERPパッケージの概要と導入方法についてこれまでの記事「読めば分かる! ERPの基本」「読めば分かる! ERP導入の基本」で触れたので、今回からはERPを構成する個別の機能について見ていこう。今回取り上げるのは、ERPの中で最も重要な機能の1つである会計分野の「財務会計」と「管理会計」である。ERPにおけるそれぞれの機能について説明する前に、まずは一般的な概念を確認する。
財務会計は、株主や投資家など外部に向けて情報を開示することを目的とする会計である。処理の方法や報告の形式は、会社法や金融商品取引法などであらかじめ一定の基準が決められており、それらにのっとって行う必要がある。そのため「外部報告会計」や「制度会計」と呼ばれることもあり、法律や会計基準の変更などが最も影響を受ける分野の1つである。
管理会計は、管理者や経営者などの内部向けに、経営判断を行うために必要な情報を作成する会計である。つまり、財務会計があらかじめ決まった方法・形式で社外に向けて情報を開示するのに対して、管理会計は自分たちが管理や分析を行いたい方法・形式で社内用に情報を開示することを目的としている。そのため「内部報告会計」と呼ばれ、内容は多岐にわたる。具体的には、全社単位ではなく、部門別、製品別、地域別、プロジェクト別など細かい単位での損益管理・分析などが管理会計として行われる。
このように同じ会計分野でも財務会計と管理会計では目的が異なり、それに伴いERPに搭載される機能も異なる。
次にERPにおける財務会計と管理会計を個別に見ていこう。なおERPパッケージによって機能の切り分けが異なるため、財務会計・管理会計の区分けに該当しないケースもある。また、税務署に納付する税金額を計算するための「税務会計」もあるが、多くのERPパッケージには税務会計の処理が「財務会計」機能に含まれるため、本稿では財務会計の中で取り扱う。
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