多数の人が関係し、その予算も比較的に多いERPの導入プロジェクト。さまざまな導入方法が語られているがその基本とは? ユーザー企業の悩みの種となることがあるカスタマイズと併せて解説する。
ERP導入プロジェクトの初期に考えたいのは、どのような手法でERPを導入していくかだ。ERPの導入手法として2つを挙げることができる。1つは企業内の全業務に対して一気に導入する「ビッグバン導入」。もう1つは、最初に会計業務、次は販売業務というように最初は一部の業務に対して導入し徐々に適用範囲を広げていく「段階的導入」だ。
ビッグバン導入は、ERPを一気に全業務に導入するので、会社全体の業務改革の成果が早い段階で出やすいというメリットがある。一方、大規模システムの導入で、初期導入費用やプロジェクト体制が大きくなる。万一、プロジェクトがうまく行かなかった場合の影響が大きい。
段階的導入はビッグバン導入に比べ初期導入費用は抑えられ、導入効果を見ながら今後の導入範囲や時期を決定していくことができる点がメリットである。しかし、1つ1つの導入期間は短くても、全社業務の観点で見ると導入期間はビッグバン導入より長くなることが多く、会社全体の導入効果が表れるまで時間がかかる。
ERP導入の考え方には、このように一長一短がありどちらが良いというわけではない。企業の状況に合わせていずれかの方法を選択することになる。
次にERP導入プロジェクトの流れを簡単に紹介する。もちろん、プロジェクトの進め方はERPパッケージ、導入企業などで違いがあるので、あくまで1つの例としてとらえてほしい。
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