Appleのアイルランドにおけるデータセンター建設プロジェクトが議論を巻き起こしている。その背景には、同国が抱える「ある問題」が関係していた可能性がある。
Appleは自社のデータセンター建設用として購入していたアイルランド西部ゴールウェイ州の土地を、2019年からデータセンター建設用地として売りに出している。同社はデータセンターの建設許可をゴールウェイ郡議会に申請し、2015年に承認を受けた。しかし、アイルランドのデータセンター建設に関する規則が変更されたことにより、ある問題が出てきた。
Appleは2015年に取得した、アセンリーでのデータセンターの建設許可について、有効期間の延長を申請し、2021年8月にゴールウェイ郡議会はこれを認めた。これに対し異議申し立てをしたのが、アセンリーの住民アラン・デイリー氏と、環境コンサルタント企業Eco Advocacyだ。デイリー氏とEco Advocacyはデータセンター建設に関する規則の変更にのっとり、「Appleは建設予定地の環境に及ぼす影響について、最新情報を追加で提出する必要があった」との見解を示した。
関係者によると、Appleはゴールウェイ郡議会からの要求に応え、プロジェクトの枠組みに沿って運営してきたという。ある関係者は、「規則の変更により、Appleは不利な立場に置かれてしまった」と語る。
Appleが2021年6月にデータセンターの建設許可期間の延長を申請した際、ゴールウェイ郡議会はデータセンター建設に関する規則に変更があったことを考慮せず、Appleの申請を認めたのだと関係者は語る。一方でデイリー氏とEco Advocacyは規則が変更されたことを理由に、「Appleは最新の環境に対する影響評価の提出義務がある」と抗議して上訴を起こした。結果的にAppleが取得した建設許可期間の延長は取り消しとなった。
アイルランド国内では送電網の容量不足への懸念が挙がっており、電力規制当局や地方議会は国内に新しく建設するデータセンターの数を抑制しようと動いている。この動きと、Appleが取得した、データセンターの建設許可期間の延長をアイルランド高等法院が取り消しにした時期は重なるという。
例の一つが、アイルランドの南ダブリン郡議会だ。同議会は、裁判所の判断によって意見を正当化する手法「戦略的正当化」なしにデータセンターの新規開発を禁止するよう開発計画案の修正を可決し、経済団体から批判を浴びている。
その一方で国営送電会社EirGridは、国内における送電網の容量不足を懸念し、2022年初頭には「少なくとも2028年まではダブリン地域のデータセンターに対する送電網の新設は受け付けない」と発表した。
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