「YouTube」で活発化している暗号資産投資の詐欺。詐欺師はどのような仕組みでユーザーをだましているのか。その被害の実態とは。
セキュリティベンダーWithSecureは、動画共有サイト「YouTube」で不正な動画を配信し、ユーザーを暗号資産(仮想通貨)への偽投資に巻き込もうとする詐欺について警鐘を鳴らしている。詐欺師は収益を得るためにどのような手口を使っているのか。
WithSecureが発見した動画は、YouTubeのユーザーを暗号資産「USDT」(Tether)への偽投資に巻き込もうとする。WithSecureのセキュリティ研究者アンディ・パテル氏は動画について次のように説明する。「作りが低品質で、翻訳以外はローカライズの工夫がされていない」。詐欺師は、綿密に計画を立てることなくYouTubeユーザーを偽投資に巻き込もうとしているとパテル氏はみる。
「動画は少額の取引を大量に発生させることを目指している」とパテル氏は述べる。同氏によると、詐欺師は少額取引をした人の中からより大きな投資をしそうな人を洗い出し、集中的にアプローチする。ただし2022年後半は、詐欺師が被害者から得た金銭は約10万ドルに過ぎなかったと同氏は説明する。
WithSecureの見方では、詐欺師はギャンブルに興じており、少額の金銭を引き出して満足している可能性がある。「今回の手口は、高度なソーシャルエンジニアリング(人の心理を巧みに利用する手口)を使って大きな収益を目指す、他の暗号資産詐欺とは対照的だ」(パテル氏)
パテル氏は詐欺師がYouTubeを利用する理由の一つとして、多言語でソーシャルエンジニアリングができる人がいなくても、広くユーザーに簡単にアプローチできる点を挙げる。一方で、偽アプリケーション作成や被害者から引き出した暗号資産の管理といった作業にコストが発生するため、全体としては「低利益」になると同氏はみる。
第3回は、暗号資産詐欺とSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の関係を考える。
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