世界各国のVPN普及率を見ると、アラブ諸国の高さが際立つ。その背景にはアラブ諸国の人が抱える、ある「切実な理由」があった。
アラブ諸国の人は、「VPN」(仮想プライベートネットワーク)を盛んに使用している。VPNベンダーAtlas VPNが実施した調査によると、人口比で見たVPN普及率が高い上位5カ国のうち、4カ国をアラブ諸国が占める状況が明らかになった。その背景には、同地域の人が抱える、ある切実な理由があった。
Atlas VPNは、2020〜2022年における85カ国のVPN使用データを基に調査を実施。国ごとのVPNダウンロード件数を人口で割ることで、VPNダウンロード率を計算した。
調査結果によると、アラブ首長国連邦(UAE)は人口比で世界最高のVPNダウンロード率になった。同国の2022年のVPN総ダウンロード数は427万件で、これは総人口の約43%に相当する。
他のアラブ諸国もVPNダウンロード率で上位にランクインした。2022年、カタールは人口比約39%に相当する約113万件、サウジアラビアは人口比約27%に相当する約942万件、オマーンは人口比約27%に相当する約136万件のVPNダウンロードを記録した。
アラブ諸国の人がVPNを使用する目的の一つが、法律で課されるインターネット利用関連の制約を回避することだ。アラブ諸国では、市民や居住者の公民権は大幅に制限される。行政権や立法権、司法権の大部分を行使するのは一部の世襲制統治者だ。
例えばUAEや一部のアラブ諸国では、イスラム教の道徳規範に反するとされるギャンブルサイトやアダルトサイトへのアクセスの他、以下のようなコミュニケーションツールの使用が禁止されている。
アラブ諸国の人はVPNを用いて、制約対象となるコンテンツにアクセスし、表現の自由を獲得している。
後編は、アラブ諸国の人がVPNを使用するもう一つの理由を解説する。
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