「パスキー」(Passkey)の活用により、パスワードによる認証を段階的になくそうとするGoogle。同社はなぜ「脱パスワード」を推し進めるのか。パスワードレス認証の普及に対する、セキュリティ専門家の見方は。
Googleは認証資格情報(クレデンシャル)の一種である「パスキー」(Passkey)を使って、同社サービスの共通アカウント「Googleアカウント」へのログインを可能にした。パスキーは、パスワードを使うことなく認証を可能にする。同社はなぜ、パスキーによる認証をはじめとする「パスワードレス認証」に本腰を入れているのか。
パスキーによる認証機能の導入は、Googleが以前から進めているGoogleアカウント保護強化の一環だ。パスワード認証を段階的に廃止し、不正ログインを減らすことを目指す。同社はAppleやMicrosoftとも手を組み、認証関連の業界団体FIDO Allianceが推し進めているパスワードレス認証技術「FIDO2」を積極的に取り入れる計画を発表している。
米TechTargetの調査部門ESG(Enterprise Strategy Group)のシニアアナリスト、ジャック・ポラー氏は「パスワードレス認証への移行は、確実に加速している」と述べる。Googleアカウントのパスキーによるログイン機能については「非常にシンプルな仕組みで使いやすい」と、ポラー氏は評価する。
ポラー氏によると、GoogleがAppleやMicrosoftと共にパスワードレス認証の普及に取り組んでいることが追い風になり、開発者はWebサイトやアプリケーションに自信を持ってパスワードレス認証機能を採用できるようになる。「エンドユーザーはデバイスやWebブラウザを問わず、パスワードレス認証が可能になる」と同氏は述べる。
Googleアカウントのパスキーによるログイン機能について、ポラー氏は「急速に普及する可能性がある」と述べる。パスワード管理ツールを手掛ける1PasswordのCEO(最高経営責任者)、ジェフ・シャイナー氏によると、ユーザー企業の間でパスキーを使用する機運が高まっている。とはいえパスワードレス認証の実際の普及には「まだ数年掛かる」とシャイナー氏はみる。
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