2023年に米TechTargetと英Computer Weeklyが実施した、IT分野の給与に関する年次調査から、興味深い傾向が見える。IT分野の従業員が転職を決意する最大の理由や、平均年収の傾向とは。
米TechTargetと英Computer Weeklyは、IT分野の従業員を対象にIT業界の給与に関する年次調査を実施している。IT分野の従業員が新しい職を積極的に探す理由や、平均年収の傾向について、年次調査のデータを基に考察する。
2023年の調査によると、回答者の58%は「より多くの給与を得ること」が、転職における最大の目的だと答えた。本調査の対象となった英国のIT労働者(全ての役職、階級を含む)が、2022~2023年に取得した平均給与額は8万1893ポンド(約1513.9万円)だった。
年次調査データの推移を見ると、平均給与額は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)の影響でいったんは低下したものの、2022年から上昇に転じている。本調査における2019~2020年の平均給与額は7万9354ポンド(約1467.0万円)で、2020~2021年は7万1880ポンド(約1328.8万円)に低下したが、2021~2022年の平均給与額は7万9330ポンド(約1466.5万円)になった。
給与額には年功序列が影響しているとみられる。アナリストやアーキテクトなどIT系一般職の平均年収が7万1593ポンド(約1324.1万円)なのに対し、管理職や幹部クラスの平均年収は11万5471ポンド(約2135.6万円)だった。18~34歳の平均年収は5万4861ポンド(約1014.6万円)、35~44歳の平均年収は約7万7450ポンド(約1432.4万円)、45~54歳の平均年収は9万1928ポンド(約1700.2万円)だった。年長者ほど、時間をかけてIT業界で実績を上げてきた可能性があり、給与額が高い傾向にあると考えられる。ただし、55歳を超えると平均年収は8万1900ポンド(約1516.2万円)に下がる。これには、有効回答数の少なさ、非常勤になったこと、高齢になって役職が変わったことなど、さまざまな理由が考えられる。
2023年の年次調査に参加した回答者の中には、IT職に15年以上携わっていた人が70%、管理職は49%含まれていた。そのため、回答者の平均年収は業界平均よりも高くなっている可能性がある。調査対象者の大多数は現職の勤務経験が1~5年で、現職の勤務経験が11~15年の人は10%だった。
第2回は、IT分野の従業員が転職を決意する要因のうち「テレワークを選べるか否か」がどの程度の重要度を持っているのかを考察する。
米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。
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