世の中には「2種類のシステム」しかない――レガシーか、レガシー以外かレガシーシステムがなくならない6つの理由【第1回】

魅力的な最新技術が次々と生まれても、レガシーシステムが残り続けるのはなぜなのか。その理由を探る前に、レガシーシステムとは何かを正しく理解する必要がある。レガシーシステムか、それ以外かを分ける条件とは。

2023年08月26日 10時30分 公開
[Mary K. PrattTechTarget]

 デジタルトランスフォーメーション(DX)推進の一環として、既存のシステムを刷新する動きが広がる一方、依然としてレガシーシステムを稼働させ続ける企業は珍しくない。社会や技術が急速に変化する中で、レガシーシステムを使い続けることには限界があり、相応のリスクもある。

 レガシーシステムは、なぜなくならないのか。それを読み解くには、まずは「レガシーシステムとは何か」を正しく理解することが必要だ。

「レガシーか、レガシー以外か」を分ける条件とは?

会員登録(無料)が必要です

 ハードウェア、ソフトウェアを問わず、時代遅れの技術のことをレガシー技術と呼ぶ。その中でもレガシーシステムとは、企業が現在も使用している時代遅れのシステムを指す。

 「レガシーシステムは、新しい技術の台頭によって時代遅れになった、もしくは廃れた、企業が長年使ってきたシステムだ」。ITコンサルティング企業West Monroe Partnersのパートナー(最高位コンサルタント)であるジョー・デイビー氏は、レガシーシステムをこう定義する。

 システムを時代遅れだと見なす基準は1つではない。一般的に、IT専門家がレガシーシステムの特徴として挙げるのは以下の通りだ。

  • ベンダーのサポートが終了した製品など、旧式または古いバージョンの製品で構成されている
  • 修正の難しい脆弱(ぜいじゃく)性が存在する
  • 最新のシステムよりも運用や維持にコストが掛かる
  • 企業が現在抱えるニーズを十分に満たしていない
  • 企業の成長を妨げている
  • 知名度が非常に低いプログラミング言語で開発されている

 次回以降は、企業がレガシーシステムを捨てられない理由を掘り下げる。

TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス

米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

From Informa TechTarget

なぜクラウド全盛の今「メインフレーム」が再び脚光を浴びるのか

なぜクラウド全盛の今「メインフレーム」が再び脚光を浴びるのか
メインフレームを支える人材の高齢化が進み、企業の基幹IT運用に大きなリスクが迫っている。一方で、メインフレームは再評価の時を迎えている。

ITmedia マーケティング新着記事

news017.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news027.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...