クラウドの値上げが止まらない理由は「単なるインフレ」ではなかったクラウドコストがなぜ上昇?【前編】

クラウドサービスの価格が上昇傾向にある。例えばSalesforceは自社サービスの価格を平均で9%値上げした。価格上昇の背景には単なるインフレにとどまらない要因がある。

2023年12月12日 05時00分 公開
[John MooreTechTarget]

関連キーワード

人工知能 | クラウドサービス | Gartner


 クラウドサービスベンダーが各サービスを値上げしている。例えば、営業支援ツール(SFA)ベンダーのSalesforceは、2023年8月からクラウド型のSFA「Sales Cloud」とコールセンター向けシステム「Service Cloud」、その他の製品を含めて平均9%の値上げを実施した。

 米国ではSaaS(Software as a Service)だけでなく、ホスティングサービスの価格も上昇している。なぜクラウドサービスの値上げが起きているのか。単なるインフレではない要因が背景にある。

クラウドが値上げする「2つの要因」とは

 クラウドサービス業界の関係者によれば、クラウドコスト上昇の主な要因は2つある。1つ目は人件費の上昇。2つ目は、テキストや画像などを自動生成するAI(人工知能)技術「生成AI」(ジェネレーティブAI)の台頭だ。クラウドサービスベンダーは生成AIを積極的に自社製品に組み込んでいる。その生成AIが価格設定に影響を与え始めている。

 ITサービス管理(ITSM)ツールベンダーのServiceNowは、ITSMツールの「IT Service Management」、顧客向けサービス管理システムの「Customer Service Management」、HR(人事)管理システム「HR Service Delivery」の一部ライセンスに、生成AI機能を導入する計画だ。

 ServiceNowのプレジデント兼COOであるシージェイ・デサイ氏が2023年7月に発表したところによれば、生成AIを利用できるライセンスは、できないラインセンスに比べて、約60%の値上げになるという。デサイ氏はこの価格設定について、「ユーザーがAI機能追加によって得られる価値に基づいている」とし、値上げへの理解を求めた。


 後編は生成AIがなぜ価格の上昇につながるのかを解説する。

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業の

IT製品導入事例などを厳選してお届けします。

ITmedia マーケティング新着記事

news035.jpg

低迷するナイキやアディダスを猛追する「HOKA」の “破壊的”ブランディングとは?
ランナーの間で好感度が低迷しているNikeに対し、ディスラプター(破壊的企業)として取...

news051.jpg

新紙幣の発行、3社に1社が日本経済に「プラスの影響」と回答――帝国データバンク調査
20年ぶりの新紙幣発行は日本経済にどのような影響を及ぼすのでしょうか。帝国データバン...

news196.png

WPPとIBMが生成AIを活用したB2Bマーケティング領域で連携
IBMのビジネス向けAIおよびデータプラットフォームである「watsonx」の機能を「WPP Open...