クラウドサービスの価格が上昇傾向にある。例えばSalesforceは自社サービスの価格を平均で9%値上げした。価格上昇の背景には単なるインフレにとどまらない要因がある。
クラウドサービスベンダーが各サービスを値上げしている。例えば、営業支援ツール(SFA)ベンダーのSalesforceは、2023年8月からクラウド型のSFA「Sales Cloud」とコールセンター向けシステム「Service Cloud」、その他の製品を含めて平均9%の値上げを実施した。
米国ではSaaS(Software as a Service)だけでなく、ホスティングサービスの価格も上昇している。なぜクラウドサービスの値上げが起きているのか。単なるインフレではない要因が背景にある。
クラウドサービス業界の関係者によれば、クラウドコスト上昇の主な要因は2つある。1つ目は人件費の上昇。2つ目は、テキストや画像などを自動生成するAI(人工知能)技術「生成AI」(ジェネレーティブAI)の台頭だ。クラウドサービスベンダーは生成AIを積極的に自社製品に組み込んでいる。その生成AIが価格設定に影響を与え始めている。
ITサービス管理(ITSM)ツールベンダーのServiceNowは、ITSMツールの「IT Service Management」、顧客向けサービス管理システムの「Customer Service Management」、HR(人事)管理システム「HR Service Delivery」の一部ライセンスに、生成AI機能を導入する計画だ。
ServiceNowのプレジデント兼COOであるシージェイ・デサイ氏が2023年7月に発表したところによれば、生成AIを利用できるライセンスは、できないラインセンスに比べて、約60%の値上げになるという。デサイ氏はこの価格設定について、「ユーザーがAI機能追加によって得られる価値に基づいている」とし、値上げへの理解を求めた。
後編は生成AIがなぜ価格の上昇につながるのかを解説する。
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