英国のケント州議会は再生品を手掛ける企業と提携し、ノートPCの再生品を調達する取り組みを進めている。新品と比べて性能や外観に見劣りはないのか。どのような利点があるのか。
ノートPCを購入する際の選択肢は、「新品」と「中古」だけではない。新品に近い、あるいは“整備済み”の「再生品」もある。英国のケント州議会は再生品を手掛ける企業と提携し、ノートPCの再生品を調達する取り組みを進めている。新品との違いはあるのか。再生品だと何がメリットになるのか。
ケント州議会は、再生ノートPCを手掛けるA2C Services(Circular Computingの名称で事業展開)と提携し、再生ノートPCを州内の居住者に提供する取り組みを開始した。Circular Computingが提供する再生ノートPCを利用して、これまでデジタル社会から取り残されていた住民が、無料でインターネットに接続できるようになった。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が拡大する中で、デジタルデバイド(情報格差)が深刻化し、地元住民の支援とデジタル貧困対策は州議会にとっての優先課題となっていた。今回の取り組みは、
などを支援することを目指している。ケント州議会はCircular Computingとの提携を通じて、4500台以上のノートPCを住民に提供した。
再生ノートPCは、英国の標準化団体British Standards Institution(BSI、英国規格協会)の認証マーク「BSI Kitemark」(製品の品質、安全性、性能などを保証する認証)を受けている。「新品と同様と認定された再生ノートPCは、性能についても外観についても一貫した品質が保証されている」とCircular Computingは説明する。エンドユーザーには、新品との性能の違いはほとんど感じられないはずだ。
Circular Computingが提供する再生ノートPCは、新品を購入するのと比べて40%安い。州議会は決まった予算の中でより多くのPCを調達し、より多くの住民に配布することができる。
州議会は、この再生ノートPCが、2030年までに二酸化炭素排出量を実質ゼロにする目標を達成することにも役立つと期待している。
ケント州議会は地元住民が古いノートPCをリサイクルできる、下取りリサイクリング制度も創設した。州議会は安定して利用できる中古PCの調達を続け、循環型経済を支えると同時に、今後の情報格差対策にも取り組むことができる。
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