「AIプロジェクトが進まない」どころか、「IT管理者が退職を検討する」といった事態を引き起こす原因とは何か。調査を基に、AI導入の現場で浮上している問題を解説する。
人工知能(AI)技術の利用が広がることで、ビジネスの在り方は今後大きく変わると考えられる。企業は幅広い取り組みにAI技術を活用しようと検討を進めている。だが、現実は甘くない。AIプロジェクトの進行を妨げる“ある問題”が、企業の新たな課題として浮上している。その問題はIT管理者の退職をも誘発する可能性がある。
コンサルティング企業SoftwareOneは2023年9月、英国、北米、ベルギー、オランダ、ルクセンブルク、オーストラリアのIT意思決定者500人に対し、ITスキルに関する調査を実施。調査結果をレポート「The Cloud Skills Report」で公開した。
レポートでは、組織におけるスキルギャップ(業務に必要なスキルと、従業員が持つスキルの差)が深刻化し、デジタルトランスフォーメーション(DX)やAIプロジェクトの進捗(しんちょく)に影響を与えている状況が浮かび上がった。調査対象者の62%が、「AI技術を効果的に活用するために、必要なITスキルの半分しか保有していない」と回答した。
回答者の34%は、上司とスタッフ間でスキルギャップによる緊張感が生じていると回答。42%は、部門内でスキルギャップによる緊張感が生じていると回答した。23%の回答者は「このまま社内のスキルギャップが改善されない場合、退職を検討している」と答えた。
スキルギャップの解消が急務となる一方で、22%の回答者は「スキル開発のためのトレーニングを要求することに抵抗を感じる」と答えている。背景には、「IT意思決定者は、既にスキルを持っているべきだ」という心理が存在する可能性がある。
調査では、組織におけるスキルギャップが原因で、業務量の増加や、部門内の対立、従業員の職場定着率低下が生じている状況が明らかになった。各企業は従業員のスキル開発に取り組み、この問題に対処すると同時に、クラウドコンピューティングとAI技術の活用を加速していく計画だとレポートは示している。
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