生産性や離職の決断に、“ある要因”が大きく影響する可能性があるという実態が見えてきた。企業がテレワークの継続や出社回帰などの決断を下す中で、生産性や離職に大きく影響している要因とは何か。
原則としてテレワークを続ける企業がある一方で、週5日出社に回帰する企業もある。企業がそうした決断を下す理由の一つは、生産性や離職率の改善だ。だがある調査レポートによれば、テレワークに変えても週5日出社に変えても、生産性や離職率は改善されない可能性がある。“ある要因”が従業員の生産性や離職に大きく影響しているからだ。その要因とは何か。
職場には、内向的な人も外向的な人もいる。ある人は「会議室で顔を合わせて話すと緊張してしまってうまく話せない」と悩み、ある人は「他の従業員や上司と対面でコミュニケーションを取りながら仕事をしたい」と考える。こうした性格の違いが、生産性を大きく左右する可能性がある。
ITベンダーApogee Corporationは、英国の従業員数500人以上の中堅企業に勤める1001人を対象に調査を実施し、その結果を調査レポート「The Modern Workplace: A Tech-Driven Future Where Every Personality Climbs」(現代の職場:IT主導であらゆる個性を生かす)にまとめた。レポートによると、内向的な従業員の30%が「Web会議の中であれば自信を持ってコミュニケーションを取れる」と回答した。外向的な従業員の84%が「テレワークでは業務の生産性が落ちる」と答えた。
回答からはコラボレーションツールへの不満もうかがえる。「他の従業員とコミュニケーションを取る際のWeb会議システムに問題がある」と回答者全体の79%が答えた。主な問題点として、「対面に比べてコミュニケーションを十分に取れない」(22%)、「従業員同士の関わり合いを十分に取りづらい」(21%)、「音声の品質が低い」(19%)などが挙がった。
職場におけるコラボレーションツールの利用状況について聞いた質問では、内向的な性格の従業員の43%、外向的な性格の従業員の38%が「適切なツールが不足している」と答えた。「従業員同士の効果的なコラボレーションができない」と答えた回答者は全体では27%で、外向的な性格の従業員では23%だった。「コラボレーションツールへの不満によって退職が頭をよぎる場合もある」と答えた回答者もいた。
回答者全体の5分の4が「オフィスの機器が使いにくい」と回答した。内向的な性格の従業員の86%は「オフィス勤務時は業務の生産性が低くなる」と考えていることも分かった。
「外向的な従業員と内向的な従業員の双方が、能力を発揮して成長できるようにするには、職場のIT製品やサービスを厳選することが重要だ」。Apogee Corporationで最高営業責任者(CSO)を務めるカール・デイ氏はこう語る。「ITサービスや製品が適切であれば、オフィスワークかテレワークかに関係なく、内向的な性格の従業員は自信を持ち、外向的な性格の従業員は他の従業員や上司と関わる機会を十分に持てるようになる」(同氏)
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