近年、大企業だけではなく中堅・中小企業(SMB)を標的にした攻撃も活発化している。SMBにとっての脅威とは何か。セキュリティベンダーSophosの調査を基に解説する。
セキュリティベンダーSophosによると、中堅・中小企業(SMB)を標的にした攻撃が猛威を振るっている。SMBにとっての大きな脅威の一つはランサムウェア(身代金要求型マルウェア)攻撃だが、実はそれだけではない。Sophosの調査で明らかになった、SMBが今すぐに備えなければならない脅威とは何か。
Sophosは調査レポート「2024 Sophos Threat Report」で、2023年に発生した攻撃を分析した。同社のインシデントレスポンスチームが対処した攻撃の約75%がSMBを標的としたものだったという。同社はSMBを従業員数500人未満の企業と定義している。「大半のSMBは人手不足やIT予算の少なさでセキュリティ体制が脆弱(ぜいじゃく)なため、比較的攻撃を受けやすい」とSophosは説明する。
Sophosによると、SMBにとって最大の脅威はランサムウェア攻撃だ。2023年後半から、個人所有のPCやスマートフォンをはじめとした管理対象外のデバイスを入り口とするランサムウェア攻撃が目立っているという。他にも、企業の防御策を迂回(うかい)する手口が広がっていると同社はみている。「業務停止や身代金の支払いなど、ランサムウェア攻撃の影響で倒産したSMBもある」(同社)
ランサムウェア攻撃の他には、SMBにとっての主な脅威としては以下がある。これらの脅威は、場合によっては最終的にランサムウェア攻撃にもつながる恐れがある。
これらの脅威のうち、ドライバの悪用についてSophosは「ますます増加している」と述べる。同社によると、攻撃者はドライバの脆弱性を悪用したり、不正な証明書や盗まれた証明書で署名された悪意のあるドライバを使用したりすることでマルウェア対策を無効化し、標的システムに入り込む。Sophosのセキュリティ専門家、クリストファー・バッド氏は、「ドライバ悪用が増えているのは、組織がマルウェア対策を強化していることに対抗するためだ」とみる。
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