「Windows 11」移行の鬼門はこれ? Windows 7でも騒がれた“あの問題”Windows 10のサポート終了ガイド【第3回】

MicrosoftのクライアントOS「Windows 10」から「Windows 11」への移行時には、幾つか落とし穴になりそうな点がある。Windows 7からの移行でもトラブルになることがあった“ある問題”とは。

2024年07月27日 09時00分 公開
[Cliff SaranTechTarget]

 Microsoftは、クライアントOS「Windows 10」のサポート終了日を2025年10月14日に設定している。Windows 10を利用している場合、基本的にはサポート終了までに「Windows 11」への移行作業を終えなければならない。移行に当たっては、過去のWindows移行でもトラブルになることがあった“ある問題”が、Windows 11でどう影響しそうなのかを押さえておこう。

Windows 11移行でも「あの問題」が“鬼門”になる?

会員登録(無料)が必要です

 Windowsの移行作業として記憶に新しいのは、「Windows 7」からWindows 10への移行だ。Windows 7からWindows 10への移行は、企業の移行作業としては非常に大掛かりなものとなった。大多数の企業が、Windows 7から「Windows 8」へは移行しておらず、Windows 8を飛ばしてWindows 10に移行することになったからだ。Windows 8からWindows 10に移行するよりも、Windows 8よりも以前のバージョンであるWindows 7からWindows 10に移行する方が変更点は多かった。

 一部の企業は、Windows 7からWindows 10への移行において、アプリケーションの互換性の問題に直面した。OSの移行に合わせて、PC自体を刷新したIT部門は少なくなったはずだ。

 同様の問題は、Windows 10からWindows 11への移行においても起こるのか。調査会社Gartnerのリサーチディレクターであるランジット・アトワル氏は、「Windows 7からWindows 10への移行に比べれば、Windows 10からWindows 11への移行時に互換性が大きな問題を引き起こす可能性は低い」とみる。

 ただし、アプリケーションにしても周辺機器にしても、互換性の問題が発生する可能性はゼロではない。例えばデバイスドライバが更新されておらず、Windows 11での動作が保証されていない外付けの周辺機器が互換性を備えていないために、Windows 11では使用できない可能性がある。例えば以下のような周辺機器だ。

  • PCに直接接続するプリンタ
  • USB接続のヘッドセット
  • 近距離無線通信「Bluetooth」接続のオーディオデバイス

 古いアプリケーションにも互換性の問題が発生する可能性はある。だが一般的には「互換モード」で動かせば解決する。互換モードとは、古いバージョンのWindowsで実行していたアプリケーションを現行のWindowsで使えるようにするために、設定を変更して実行する機能だ。

 アプリケーションや周辺機器の互換性に問題がなかったとしても、PCがWindows 11の最小システム要件を満たしていないためにWindows 11へのアップグレードができないこともある。このシステム要件に関しては一定割合のPCが満たしていないとみられるので注意が必要だ。システム要件を満たしていない場合は、PCを買い替えるなどの対処が求められる。


 次回は、Windows 11へのアップグレードで考慮すべきシステム要件について詳細を解説する。

Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術

米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

新着ホワイトペーパー

製品資料 arcserve Japan合同会社

データの保全・保護・復旧を全方位でカバーするバックアップ戦略とは?

データ活用が企業の命運を握る今日にあって、絶対に避けなければならないのがデータの損失だ。本資料では、ビジネスクリティカルな状況下でデータの保全・保護・復旧を可能にするバックアップソリューションを紹介する。

製品資料 arcserve Japan合同会社

自社に必要な機能だけを選び、最適かつ効率的なバックアップ環境を構築する方法

データのバックアップに求める機能は、企業によってさまざまだ。必要な機能だけを選択して導入することで、無駄なく効率的なデータ保護が可能になる。そこで注目されているのが欲しい機能だけを搭載できるバックアップ/リカバリー製品だ。

製品資料 arcserve Japan合同会社

運用を大幅に軽減し、多様なニーズに対応するバックアップ対策とは?

データバックアップは、安定した経営を維持し、災害やサイバー攻撃のリスクから業務を守るために不可欠である。とはいえ、自社に最適なバックアップ手法の確立は簡単なことではない。豊富な機能を備えているソリューションに注目したい。

製品資料 arcserve Japan合同会社

バックアップ製品はどう選ぶ? 3つのポイントから必要な機能を解説

企業の事業継続に影響を与える緊急事態として自然災害やサイバー攻撃が挙げられる。その対策として重要なのが、データのバックアップだ。それでは、バックアップ製品はどのように選べばよいのか。重要なポイントを解説する。

技術文書・技術解説 TIS株式会社

APIはじめてガイド:開発から管理までを効率化するためのポイントとは?

次なるビジネスの中核を担う可能性を秘めているAPI。APIを本格利用する組織にとっては、効率的な開発・公開・運用・管理方法を確立することが重要課題となっている。本資料では、効率化に向けて知っておくべきポイントを解説する。

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

ITmedia マーケティング新着記事

news046.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news026.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...

news130.jpg

Cookieを超える「マルチリターゲティング」 広告効果に及ぼす影響は?
Cookieレスの課題解決の鍵となる「マルチリターゲティング」を題材に、AI技術によるROI向...