「Windows 10」のサポート終了が迫る中、Windows 11への移行を完了していない企業は、移行方法を検討しなければならない。とはいえ、焦ってPCを購入することが唯一の選択肢ではない。他に何があるのか。
クライアントOS「Windows 10」のサポート終了が2025年10月に控える中、まだ「Windows 11」への移行を終えていないエンドユーザーや企業は、移行方法を具体的に考えなければならない。とはいえ、焦ってPCを購入することはお勧めしない。では、他に何があるのか。
Windows 10からWindows 11への移行は、「Windows XP」から「Windows 7」への移行と、Windows 7からWindows 10への移行という過去2回の移行ほど難題にはならないと考えられる。だからといってWindows 11への移行の優先度を下げていいわけではない。
Windows 11に問題なくアップグレードできるPCもあれば、システム要件を満たしていないためにアップグレードできず交換しなければならないPCもある。例えば標準規格「TPM 2.0」(TPM:Trusted Platform Module)に準拠したセキュリティモジュール非搭載であることが、Windows 11に移行できない一因となることがある。
人工知能(AI)機能を搭載するいわゆる「AI PC」が流通し始めており、これはPC購入を検討する好機となる。PCに搭載されるAI機能を活用できる用途は、まだ音声と動画関連の機能強化など一部に限定される可能性はあるものの、それでも今後はAI PCが普及するのとともにAI機能を活用できる用途が続々と誕生してくるはずだ。とはいえ、PCを購入することは、取り得る選択肢の一つに過ぎない。
Windows 10のサポート終了は、PCにWindowsをインストールする必要があるかどうかも含めて、PCの在り方を見直す良い機会になる。使用するアプリケーションの大半がクラウドサービスになる場合、PCにWindowsをインストールする必要があるのかどうかについては慎重に見極めた方がよい。仮想化の技術を使い、デスクトップの画面に遠隔で接続するVDI(仮想デスクトップインフラ)や、そのクラウドサービス版であるDaaS(Desktop as a Service)という選択肢もあるからだ。「WindowsをPCにインストールするのが当たり前の時代は終わった」と言っても過言ではないのだ。
過去2回のWindows移行を振り返ると、Windows 10のサポート終了を目前に控えている2024年現在は、2014年4月のWindows XPサポート終了から10年が経過したことになる。その間に、企業のIT部門はクラウドサービスの利用拡大といった大きな変化を経験した。Windows 11への移行は、IT部門にとってはPC利用を中心としたエンドポイント戦略を根本から見直す良い機会になるだろう。
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