「タグ付け」は、クラウドサービスでのリソースの管理や追跡、コスト管理などに役立つ。採用するタグ付けの方法を決める際は、どのような観点で検討すればいいのか。
クラウドサービスでのリソースの管理や追跡、コスト管理などに役立つのが「タグ付け」の機能だ。クラウドベンダーが提供するタグ管理機能を利用するか、社内で独自のタグ付けシステムをするかの選択は、慎重に検討する必要がある。どのような観点で、タグ付けの方法を検討すればいいのか。
Amazon Web Services(AWS)は、自社のさまざまなクラウドサービスのリソースにタグを付与できる「Tag Editor」や「AWS Resource Groups Tagging API」などのシステムを提供している。これらのシステムを採用すると、タグ付けが効果的に機能し、コスト管理やリソースの容量管理に必要なデータを得られる。しかし組織の要件に合わせて、独自のタグ管理システムとタグ付け規則を設定することも選択肢の一つになる。
リソースのタグ付けシステムを内製する場合、IT担当者は自社のシステムに対するきめ細かな制御がしやすくなる。しかしタグ付けシステムを内製化するには、タグ付けの現状の分析やシステムの構築、クラウドインフラへのシステムの実装という追加の作業が必要だ。他のIT担当チームを訓練する必要も生じる。タグ付けの規則が細か過ぎると、複雑さが増し、タグ管理の作業に時間がかかるリスクもある。
リソースへのタグ付けを自動化したい場合、まずは小規模なプロジェクトから始めて、そこで得られた経験を自社の他のプロジェクトに段階的に適用するのがよい。
リソースのタグ付けの自動化手段には複数の方法がある。1つ目は、クラウドベンダーが提供するAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)やSDK(ソフトウェア開発キット)を利用することだ。これらを通じて、クラウドリソースへのタグを付与や更新、削除を実施し、リソース管理ツールとの連携が可能になる。
AWSのリソース自動構築サービス「AWS CloudFormation」やMicrosoftのクラウドリソース管理サービス「Azure Resource Manager」、GoogleのIaC(Infrastructure as Code)サービス「Cloud Deployment Manager」は、コードを用いてクラウドリソースの定義と管理を実行するためのツールだ。
AWSの「AWS Lambda」やMicrosoftの「Microsoft Azure Functions」、Googleの「Cloud Functions」といったコード実行サービスも、設定されたスケジュールに基づいてリソースにタグを自動適用するために利用できる。
タグ付けにおける人的ミスを避けるために、タグ付けポリシーを適用するときの自動化も検討する価値がある。各クラウドサービス群の以下のサービスを組み合わせて、タグ付けポリシーを強化できる。
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