OpenAIとApple提携の影響【第1回】
なぜ自前主義のAppleが「OpenAIとの提携」に踏み切ったのか
Appleは独自のAIシステム「Apple Intelligence」を発表すると同時に、OpenAIとの提携を発表した。自前での開発にこだわってきたAppleは、なぜOpenAIと手を組むことにしたのか。
Appleは2024年6月に開催した年次カンファレンス「Worldwide Developers Conference 2024」で、独自の人工知能(AI)システム「Apple Intelligence」を発表した。Apple Intelligenceは年内に同社のOSに実装され、Appleが開発したさまざまなAIモデルを使用できるようになる見込みだ。 Apple Intelligenceの提供に当たり、AppleはAIベンダーOpenAIとの提携も明らかにした。自前での開発にこだわってきたAppleがOpenAIと提携した理由は何なのか。
なぜAppleはOpenAIと提携するのか?
併せて読みたいお薦め記事
デバイスへのAI組み込みを解説
2010年以来、Appleは音声アシスタント「Siri」を同社のデバイスに搭載し、自然言語処理機能を提供してきたが、テキストや画像を生成するAI技術「生成AI」を同社のOSに搭載したのは今回が初めてとなる。従来Appleは、生成AIサービスの開発や提供において、GoogleやMicrosoftなどのライバル企業に後れを取っていた。
このような状況の中、AppleがOpenAIとの提携に踏み切ったのはなぜなのか。以下のような理由が考えられる。
- OpenAIが生成AI市場をけん引する存在であるため
- OpenAIは、生成AI市場のにおける主要ベンダーの一社だ。同社のAIチャットbot「ChatGPT」は、Appleユーザーを含めて広く認知されている。
- 投資家に理解しやすいストーリーを示すため
- OpenAIとの提携を通して、AppleはAI分野での存在感をアピールできる。特に投資家に対して、AppleがAIトレンドに後れを取らず、競争力を維持していることを示すことができる。
- エンドユーザーに最先端のAI機能を提供できるため
- OpenAIとの連携を通して、Apple単独では実現が難しい高度な生成AI機能をエンドユーザーに提供できる。
- Siriの機能を補完できるため
- Siriがクエリに対する回答を作成する際、追加支援が必要になった場合にChatGPTが使われる。これによって、Siriが対処できるタスクや質問の範囲が広がる。
- より広範な知識を提供するため
- Apple Intelligenceは、ユーザーデータを活用するパーソナルアシスタントとしての用途に特化している。一方でChatGPTは、歴史や時事問題、一般知識など、より幅広い情報を提供する。
- ユーザープライバシーとAI技術を両立させるため
- Appleのプライバシー保護機能を活用しつつ、エンドユーザーに最先端の生成AI機能を提供できる。
- Appleが競争上の優位性を確保するため
- AppleのデバイスにChatGPTを組み込むことで、Appleは競合他社との差別化を図り、より多くのエンドユーザーを同社のエコシステムに引き込むことができる。
- AppleとOpenAIの両社にメリットがあるため
- Appleは先進的なAI技術をユーザーに提供できる。OpenAIはAppleユーザーにChatGPTを使ってもらうことができる。
Apple Intelligenceでは、ChatGPTがOS「iOS 18」「iPadOS 18」「macOS Sequoia」で利用可能になる見込みだ。
次回は、Apple IntelligenceとChatGPTとの違いを解説する。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社うるる] 「入札市場」攻略ガイド:効率的に落札するためのポイントを徹底解説 -
製品資料
[株式会社うるる] 入札情報に特化した「販路拡大」「効率化」のためのサポートツールとは? -
市場調査・トレンド
[株式会社うるる] 公共入札に成功する企業と失敗する企業の「5つの違い」 -
製品資料
[日本ビジネスシステムズ株式会社] 専門家が教える、Microsoft 365の「テナント統合/分離」を成功に導く秘訣 -
製品資料
[rakumo株式会社] Microsoft 365での情報埋没を防ぐ、社内ナレッジを資産化する情報ポータル活用
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
PHP脆弱性「PHP2Shell」で2260万件に影響 情シスの緊急チェックリスト
-
2
「Microsoft 365」が乗っ取られる MFAを破る“本物の画面”の恐怖
-
3
「テザリング依存」に潜む落とし穴 “遅いVPN”を解消するネット構築術
-
4
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
5
「Windows」の不要なファイルを安全に消して容量を空ける方法
-
6
「IT運用・情報システム業務」に関するアンケート
-
7
AI導入が失敗する“真犯人”は現場のマニュアル 7割が陥る「標準化」のわな
-
8
被害額は過去最高額 それでも「サイバー犯罪者が捕まらない」3つの理由
-
9
Claude利用8割のGMO、AI人材の評価軸が「トークン管理」に変わった
-
10
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
2026年のサイバーセキュリティには何が必要か? 最新データに学ぶ傾向と対策
-
3
経験豊富な即戦力人材に直接アプローチできる、「攻めの採用」への転換術
-
4
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
5
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
6
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
7
AI駆動開発のスピードと安全性を両立 「品質・セキュリティ管理」の実践ガイド
-
8
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
9
「標的型攻撃メール」事例・サンプル集
-
10
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー