AWSが多要素認証を“じわじわ必須化” その成果はいかほど?2025年春に対象ユーザーを拡大

AWSは2024年5月から一部のエンドユーザーを対象に、多要素認証(MFA)を必須化した。その成果を踏まえ、さらに対象範囲を拡大する計画だ。

2024年11月19日 14時30分 公開
[Alex ScroxtonTechTarget]

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 クラウドサービス大手のAmazon Web Services(AWS)が、多要素認証(MFA)を必須とするエンドユーザーの対象範囲を拡大する。同社は2024年5月から一部のエンドユーザーに対してMFAの導入を必須化し、成果がみられたという。成果はどれほどなのか。

“MFA必須化”の成果はいかほど?

 AWSは2024年5月、アカウント管理サービス「AWS Organizations」の管理アカウントを有するルートユーザーが、Webブラウザベースの管理ツール「AWS Management Console」にログインする際のMFAを必須化した。ルートユーザーとは、AWSアカウント作成時に登録したメールアドレスとパスワードでログイン可能なユーザーを指す。

 2024年6月には、MFAの方法としてパスワードレス認証技術「FIDO2」を追加。スタンドアロンアカウント(組織に属さないアカウント)のルートユーザーも対象に加えた。

 AWSでアカウント認証プロダクト部門シニアマネジャーを務めるアリン・クロウ氏によると、2024年4月以降、75万以上のルートユーザーがMFAを導入し、FIDO2の追加後、MFAの利用率は2倍以上に増えた。クロウ氏はこの方針変更により、パスワードに関連した攻撃の「99%以上を防ぐことができた」と主張する。

 こうした成果を踏まえ、AWSは2025年春からAWS Organizationsの管理アカウントだけではなくメンバーアカウントに対しても、MFAを必須にする計画だ。

 クロウ氏は「管理アカウントやスタンドアロンアカウントへの拡大と同様、段階的にMFAの要件を適用する」と説明する。対処が必要なエンドユーザーには事前に通知し、日常業務に支障を来たさないように支援する方針だ。

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