トランプ氏は「言論や表現の自由を守る」と宣言し、SNSの投稿の誤情報を監視する「コンテンツモデレーター」をやり玉に挙げている。一方で専門家は、言論の自由を妨げる“根本的な問題”があると指摘する。その問題とは。
2024年11月の米国大統領選で当選者となったドナルド・トランプ氏は、「言論や表現の自由を守る」と宣言している。新政権が発足した場合、トランプ氏はSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)における誤情報や偽情報の対策よりも言論の自由を保護することを優先する方針だ。同氏の思惑と、この施策の是非は。
トランプ氏が争点とするのは、SNSの投稿を監視するコンテンツモデレーションが言論や表現の自由を妨害する可能性だ。
2024年11月、トランプ氏はアンドリュー・ファーガソン氏を米連邦取引委員会(FTC)の次期委員長に任命した。トランプ氏は自身が立ち上げたSNS「Truth Social」で、任命への期待を込めて「ファーガソン氏は大手IT企業の検閲に立ち向かい、われわれの国における言論の自由を守れる実績を持つ」と投稿した。
トランプ氏の言論の自由の保護に関する主張は的外れではない――情報技術・イノベーション財団(ITIF:Information Technology and Innovation Foundation)の非常勤シニアフェローであるデービッド・モシェラ氏は、2024年12月のウェビナーでこう述べた。モシェラ氏によると、SNS運営企業が自社の判断で特定の投稿をラベル付けしたり削除したりすれば、その企業はSNSユーザーから批判を受ける。だが本当の問題は、言論や表現の自由が保障されなくなることだ。ある投稿を誤情報だと見なすのか、あるいは信頼できる情報だと見なすのかは、ユーザー個人の判断に委ねなければならない。それが言論や表現の自由に基づく行為だからだ。
モシェラ氏は、あるSNSへの投稿を例に挙げる。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によるパンデミック(世界的大流行)が、ある特定の組織を起源とすると指摘した投稿に対して、一部の専門家が「陰謀論だ」と断定したり、その結果SNSを運営する企業が投稿を削除したりした。共和党所属の上院議員、マルコ・ルビオ氏をはじめとした共和党員がこの動きに懸念を表したことで、コンテンツモデレーターの問題は広く議論されるようになった。ただしルビオ氏は、トランプ氏が国務長官候補として指名した人物だ。
2024年5月、共和党が主導する特別小委員会は米国務省の文書を精査した。その結果、委員会はこの文書が「COVID-19の流行はある特定の組織を起源とする」ことの信頼できる証拠になるとの見解を出した。
「X」(旧Twitter)や「Facebook」「Instagram」といったSNSの運営企業は、コンテンツの管理方針を緩和し、コンテンツモデレーションを実施した部門を解散した。
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