2024年に経営陣の離脱が相次いだSAPが、2025年1月に新体制を発表した。ユーザー企業は、SAPの経営陣刷新をどのように受け止めればよいのか。アナリストの意見を紹介しよう。
SAPは2025年1月、経営陣の新体制を発表した。最高AI(人工知能)責任者を務めるフィリップ・ヘルツィヒ氏を、グローバル最高技術責任者(CTO)に任命。カスタマーサービスおよびデリバリー部門の責任者を務めるトーマス・ザウアーエシヒ氏の執行役員の任期を延長した。2024年から経営陣の離脱や刷新が相次ぐSAPの動向を、ユーザー企業はどのように受け止めればよいのか。
企業分析フォーラムdiginomicaの共同創業者ジョン・リード氏は、「ユーザー企業や業界関係者は、SAPの頻繁な経営陣刷新を過度に重視すべきではない」と指摘する。
「人材配置を変えることよりも、実際にどのような成果を出すかが重要だ」とリード氏は述べる。「SAPは人材配置を頻繁に変える必要があるとみられるが、最終的にどれほどユーザー企業に影響を与えるかは疑問だ」と続けた。
リード氏によると、SAPが2024年に進めた組織再編は社内に混乱をもたらした。「今後は、人材のスキル向上と維持に注力すべき段階に進む」と同氏は指摘する。
「その他の人事異動からもSAPが今後1年間で進む方向性が見て取れる」とリード氏は話す。ザウアーエシヒ氏の執行役員の任期延長は、ユーザー企業のクラウドサービスERP移行の推進役として期待されていることの証左だ。
CTOを兼任するヘルツィヒ氏は、SAPが長年待ち望んだ先見性のあるCTOになる可能性がある。リード氏は「ヘルツィヒ氏のAI戦略は印象的だった」と評価する。SAPは AI機能の導入について、オンプレミス製品よりもSaaSなどクラウドサービスを優先する方針を示した。この際、ヘルツィヒ氏はユーザー企業に明確な説明をしていたという。
「ユーザー企業はSAPの方向性に大きな変化が生じることを過度に懸念する必要はない」とリード氏は述べる。「SAPの経営陣刷新は、市場に重大な変化が起きていることを同社が認識し、考えられる最強の布陣で臨みたいという意思の表れだ」とリード氏はみている。
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