ハイパースケール(大規模)データセンターは、生成AIサービスの需要の高まりに対応するため、ますます巨大化していくという。データセンターの規模と数は今後どうなっていくのか。
IT調査会社Synergy Research Groupの調査によると、ハイパースケールデータセンターは施設数でも規模でも急成長が続く見通しだ。「ハイパースケールデータセンターのデータ処理量は時間とともに増加してきたが、膨大な電力を必要とする生成AI(AI:人工知能)サービスがデータセンターの成長を加速させている」と調査レポートは述べている。
Synergy Research Groupの調査によると、ハイパースケールデータセンターの平均規模は2025年からの4年間で2倍になることが予測されている。ハイパースケールデータセンターは世界1103カ所で稼働しており、2025年からの4年間で、さらに497カ所のデータセンターが稼働を開始する見通しだ。ハイパースケールデータセンターの数も平均規模も大幅に拡大していくため、世界のデータセンターの総容量は2030年末までに約3倍になると予測している。
Synergy Research Groupのチーフアナリストであるジョン・ディンスデール氏は、「稼働中のハイパースケールデータセンターの数は過去5年間で2倍に増えており、今後も増え続ける見込みだ」と指摘する。市場における最も顕著な変化は、新たに建設されるデータセンター1施設当たりの容量が劇的に増加している点だという。
「ハイパースケールデータセンターの構成は、新旧の設備の割合、地域ごとの分布、自社所有かリースかといった要因によって複雑に変化している。しかし全体として、AIの学習と推論処理に最適なGPU(グラフィックス処理装置)を活用したインフラの普及が、新たに誕生するハイパースケールデータセンターの容量を従来の2倍に押し上げることになるだろう」。ディンスデール氏はそう述べている。
同社が発表した別の調査では、2024年のデータセンター向けハードウェアとソフトウェアの支出が過去最高を記録した要因の一つとして、生成AIサービスの需要を挙げている。「10年以上にわたり、データセンターへの投資をけん引してきたのはパブリッククラウドの成長だったが、2024年のデータセンター機器市場が約2800億ドルを超えるとは、誰も予測していなかった」(ディンスデール氏)
(翻訳・編集協力:編集プロダクション雨輝)
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