2015年の登場以来、数々の進化を遂げてきた「Windows 10」。2025年10月のサポート終了を控える今、移行の検討材料として主要バージョンの特徴や改良点を時系列で振り返る。
MicrosoftのクライアントOS「Windows 10」は、2015年の登場依頼、2022年に最終バージョンがリリースするまでに数多くの機能追加と改良を重ねてきた。「Windows as a Service」(サービスとしてのWindows)のコンセプトの下、リリースサイクルは当初の年2回の大型アップデートに始まり、後に年1回へと変更になった。各バージョンごとに新機能や改善点、UI(ユーザーインタフェース)などの変更が加わり、その時々のニーズや技術の変化を反映してきた。
Windows 10の“15の新機能”を振り返った第2回「Windows 11未移行者が『Windows 10でも満足』と言いたくなる“これだけの進化”」に続き、本稿はWindows 10の主要バージョンと、その特徴を時系列で振り返る。2025年10月14日にWindows 10のサポート終了を控え、「Windows 11」に移行せずにWindows 10を使い続けているユーザーも少なくない状況だ。サポート終了を前に移行計画を検討している組織や、過去の環境再現や検証作業を行うIT担当者にとって、バージョンごとの違いを把握することは重要な手掛かりとなるはずだ。
Windows 10はWindows as a Serviceのコンセプトの下に、当初は年2回ほどの大型アップデートを実施していた。2020年まで、Windows 10のバージョン名は、リリース予定の年と月に基づいて決められていた。例えば、バージョン1803は2018年3月に公開予定だった。しかし、実際には予定より遅れて公開されることがあり、混乱を招いたので、命名規則を変更し“H”表記に改められた。H1は年の前半、H2は年の後半を意味する。
Windows 10の主要なバージョンは以下の通り。
2015年7月に公開されたWindows 10の初期リリース版。
「November Update」として知られる。全体的なOSのパフォーマンスと、音声アシスタント「Cortana」の機能性を向上させた。タイトルバーの色が変更できるようになった。
「Anniversary Update」としても知られる。以下の機能が導入された。
「Creators Update」としても知られる。以下の機能が実装された他、より詳細なプライバシー設定が可能になった。
「Fall Creators Update」としても知られる。オンラインストレージ「Microsoft OneDrive」との連携機能が導入された。
「April 2018 Update」としても知られる。以下の機能が追加された。
「October 2018 Update」としても知られる。以下の機能が搭載された。
「May 2019 Update」としても知られる。以下の機能改善があった。
「November 2019 Update」としても知られる。パフォーマンスと品質改善に焦点を当てたマイナーアップデート。新たな提供形態「イネーブルメントパッケージ」が導入された。これは、以前の更新プログラムの無効化されていた機能を有効化するもので、最小限のダウンロードで済む。
「May 2020 Update」としても知られる。CortanaのUIが刷新された。WSLの新バージョンWSL 2が導入された。
「October 2020 Update」としても知られる。スタートメニューに軽微な改善を加え、通知機能も改善された。
「May 2021 Update」としても知られる。小規模なアップデートにとどまり、Windows Helloの顔認証において、複数のカメラをサポートするようになった。
「November 2021 Update」としても知られる。大規模なアップデートとしては最後となった。2要素認証機能「Windows Hello for Business」の新しい展開方法がサポートされた。WSLでのGPU(グラフィックス処理装置)のサポートが追加された。
「2022 Update」としても知られる。Windows 10の最終バージョンだ。イネーブルメントパッケージを通じて配信された。
次回は、Windows 10の更新プログラムとサービスチャネルについて振り返る。
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