村田製作所が、事業を支えるサーバ群約1000台をAWSに移行し、運用体制を大きく変革する。パートナーであるキンドリルと共に実現する「AI主導のIT運用」で、人海戦術の限界にどう挑むのか。
企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する中で、ITインフラのクラウド移行は重要な経営課題だ。移行した後にも、大規模で複雑なクラウドインフラをいかに効率的かつ安定的に運用していくかという新たな課題が待ち受けている。国内のIT人材不足も、この課題に拍車を掛けている。
電子部品メーカー大手の村田製作所は、同社の長期構想「Vision2030」の実現に向け、ITインフラの刷新を進めてきた。そうした中、社内業務や工場のデータを扱う約1000台のサーバ群を「Amazon Web Services」(AWS)に移行し、その運用をITサービスベンダーのキンドリルジャパン(以下、キンドリル)に委託することを決定した。
AWSへの移行は、AI(人工知能)を全面的に活用することが目的だ。キンドリルが提供する、AI搭載のIT運用支援システム「Kyndryl Bridge」は、システムの稼働状況を常に監視、分析し、システム障害の予兆を検出したり、単純作業を自動化したりすることが可能。従来は人手に頼らざるを得なかった運用業務を効率化し、属人化のリスクを抑制する。
具体的には、開発と運用の連携を強めてビジネスの変化に迅速に順応する「DevOps」の考え方を取り入れ、システムの信頼性向上と運用のさらなる高度化を目指す。そのためにキンドリルのコンサルタントが、SRE(サイト信頼性エンジニアリング)を活用してITインフラとアプリケーションの両面からシステムの運用改善を支援し、システムの信頼性向上と運用の高度化を後押しするという。
国内の技術者に加えて、インドの専門チームも運用に参加するグローバル体制を構築した。これによって24時間365日、高品質で持続可能な運用体制を実現し、日本国内のIT人材不足という課題に対処することを目指す
村田製作所がキンドリルをパートナーに選んだ背景には、2011年から続く信頼関係がある。村田製作所の情報技術企画部シニアマネージャーである久保誠二氏は、「長年にわたってシステムの安定稼働を支えてきたキンドリルの貢献は非常に大きい。AIOps(AI技術を活用してIT運用の定型業務を自動化する手法)を中心とした運用高度化と、グローバルな運用ノウハウを最大限に活用し、新たな価値創出を推進していく」と話した。
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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。
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