企業のDXや個人のリスキリングを背景に、プログラミング学習の機運が高まっている。だがその97%が挫折を経験しているという実態が、調査を通じて明らかになった。学習者を阻む“見えざる壁”の正体とは何か。
企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進や個人のリスキリング(新しい知識やスキルの習得)の流行を背景に、プログラミングスキルの重要性が広く認知されつつある。ただしその習得は平らな道のりではない。キャリアアップを目指して挑戦するものの、大半の学習者が壁に直面した経験があることが、ある調査で明らかになった。
ITスクール「侍エンジニア」を運営するSAMURAIは2025年9月16〜23日、初心者の状態からプログラミング学習を始めた10〜50代の男女100人を対象にアンケート調査を実施した。その結果、回答者の97%が「挫折や行き詰まりを感じたことがある」と答えた。
プログラミング学習者が壁にぶつかる最大の理由は、「不明点を質問できる環境がなかった」(27%)、つまり相談相手がいないことだった。次いで「学習のモチベーションが続かなかった」(22%)、「エラーやバグへの対処で心が折れた」(17%)と続き、一人で解決できない問題や、孤独感が学習継続の障壁になっている様子がうかがえる。この結果を裏付けるように、挫折したときや行き詰まったときに「あったらよかった」と感じたものとして、37%の回答者が「気軽に不明点を聞ける環境」を挙げている。
同様の傾向は、転職や副業に生かせるレベルのスキル習得に関する設問でも見られた。回答者の55%が、そうしたレベルのスキルは「独学のみでは困難」と答えた。実際にスキルを習得した方法としては、「独学を経てスクールや講座を活用」が25%と最も多く、独学だけで習得した人は11%にとどまった。
この状況を解決する手段としてAI(人工知能)技術、特に生成AIの活用が進んでいる。回答者の52%が「生成AIを活用した」と答えており、具体的なサービスとしてはOpenAIの「ChatGPT」(50%)が最も多く挙がった。エラーの原因特定や不明点の質問相手として生成AIを活用する、新しい学習スタイルが広まりつつあるようだ。
今回の調査は、プログラミングスキル習得において、自学できる支援体制がいかに重要であるかを示している。この状況に対して、生成AIがプログラミング学習のハードルを下げる“ゲームチェンジャー”になり得ることも調査からは読み取れる。ただし生成AIが提供できるのはあくまで技術的な回答だ。学習を継続させる「なぜ学びたいのか」という情熱やモチベーションの維持は、依然として人の領域であり、目標を共有できる仲間や指導者の存在価値がますます重要になると考えられる。
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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。
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