「その資格はもう古い」 2026年に“食える”セキュリティ資格AI時代に必須となる「有望ライセンス」厳選

セキュリティ人材は売り手市場だが、漫然と資格を取るだけでは年収は上がらない。AIの台頭でスキル要件が激変する中、今取得すべき「稼げる資格」とは何か。推奨リストを公開する。

2025年12月17日 13時00分 公開
[TechTargetジャパン]

 「セキュリティエンジニアなら食いっぱぐれない」――。その神話は、2026年も通用するだろうか。 サイバー攻撃のAI化が進み、防御側にも高度なAIリテラシーが求められる今、単なる「運用監視」や「従来型の知識」だけでは、市場価値を維持できなくなりつつある。一方で、特定の領域に特化したスキルを持つ人材の年収は高騰を続けている。 限られた学習時間を投資するなら、確実に見返りのある資格を選びたい。膨大な認定資格の中から、将来性と実益を兼ね備えた「本命」だけをピックアップした。

セキュリティ基盤資格(初級〜中級)

コンピュータ技術産業協会(CompTIA)の「CompTIA Security+」

  • 概要:セキュリティの基本概念、脅威への対策を扱う国際資格
  • 狙い目ポイント:ベンダーに依存せず、入門〜実務初期に最適
  • 準備:公式教材や模擬試験による基礎知識を習得

 セキュリティの基本項目を体系立てて学べるため、専門職でも基盤強化に有効だと考えられる。

国際的な高度セキュリティ資格

ISC2の「Certified Information Systems Security Professional」(CISSP)

  • 概要:世界的に認知されたセキュリティ専門家資格
  • 狙い目ポイント:マネジャー職を目指したり、セキュリティ戦略立案能力を高めたいと考えたりする人向け
  • 準備:広範なセキュリティ領域知識の習得、実務経験(推奨5年程度)

 経営層からの信頼性も高く、年収や責任範囲の大幅アップに寄与する可能性がある。

ISACAの「ISACA Certified Information Security Manager」(CISM)

  • 概要:情報セキュリティマネジメントに特化した国際資格
  • 狙い目ポイント:組織のセキュリティ戦略立案、統括担当者を目指す人向け
  • 準備:リスク管理やガバナンスの知識、実務管理力の習得

 管理職やCISO(最高情報セキュリティ責任者)候補としての「ブランド力」強化に役立つ。

「AI×セキュリティ」関連資格

 近年、AI(人工知能)技術がセキュリティ領域にも浸透し、AIを使ったセキュリティ対策、AIを守るためのセキュリティ対策に関するスキルが重要視され始めている。

NICCSの「Certified AI Security Fundamentals」(CAISF)

  • 概要:AI関連のセキュリティ基礎を学ぶ資格
  • 狙い目ポイント:AI技術とセキュリティ両面の理解を証明してキャリアアップを図る人向け
  • 準備:AIの基礎知識や、攻撃/防御の実例学習

 AIモデルの脆弱(ぜいじゃく)性や攻撃手法のリスク把握力が身に付き、セキュリティだけではなく、AIプロジェクトでも有利になる。

クラウドベンダー(AWSやMicrosoft)によるAI関連資格

  • Amazon Web Services(AWS)の「AWS Certified Generative AI Developer - Professional」
    • 生成AIモデル構築・実運用能力を証明
  • Microsoftの「Microsoft Azure AI Engineer Associate/AI-900」
    • AzureのAI基盤技術と実装スキルを証明

 セキュリティエンジニアでもAI領域にスキルを広げれば、他のエンジニアとの差異化を図ってキャリアアップにつなげることができる。

認定資格取得のメリットとは

  • 客観的な専門性の証明
    • 認定資格は履歴書や面談で示すスキルを裏付け、企業からの信頼感を高める。攻撃が活性化している中、セキュリティ人材は売り手市場であり、スキル証明の価値が高い。
  • 年収、ポジションアップ
    • 特に高難易度の認定資格は、管理職や戦略職への昇格、給与増に直結する傾向がある。企業の資格手当や評価制度でも優遇されるケースもある。
  • AI×セキュリティスキルの獲得
    • 自分の「付加価値」としてAIセキュリティの理解を深めることで、従来のセキュリティ領域に留まらない価値を創出できる。AIが攻撃側と防御側の双方で活用される時代に対応できる人材となる。

認定資格取得に向けた準備の進め方

  • 基礎知識の整理
    • ネットワーク、OS、暗号化、攻撃手法などの基礎を身に付ける。
    • 各認定資格の試験ガイドから学習する。
  • 実践スキルの定着
    • テスト環境での侵入検知やログ分析など、実務的な演習。
    • オンライン講座(模擬問題や攻撃手法の実例演習)を活用。
  • AIセキュリティ知識の習得
    • AIの脆弱性、データ保護対策などを学ぶ。
    • AIに関連する認定資格へ段階的に挑戦。
  • 模擬試験や教材に投資
    • 公式問題集を購入したり、模擬試験を複数回実施したりし、自分の弱点を把握して克服する。

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