「暗号化しているから漏えいしても大丈夫」はもはや通用しない。今盗んだデータを将来解読する「HNDL攻撃」が現実味を帯びる中、完遂すべき「PQC移行」への道とは。
企業にとって「ポスト量子暗号技術」(PQC)への移行は、ビジネスを支えるデータを保護するために不可欠な取り組みだ。PQCは、量子コンピューティング(量子力学を用いて複雑なデータ処理を実施する技術)の悪用による暗号技術の無力化を防ぐための有効策になる。現在のデータ暗号は、量子コンピューティングによって破られる恐れがあるとセキュリティ専門家は警鐘を鳴らしている。特に注意が必要な業種と、PQCに移行させるための具体的なステップとは。
米国国立標準技術研究所(NIST)の予測によると、従来の公開鍵暗号システムは2030年までに廃止され、2035年までには使用が禁止される。従来の公開鍵暗号システムとは、暗号化通信において情報の暗号化と復号に使われる「RSA方式」(Rivest-Shamir-Adleman)や、楕円曲線暗号である「ECC」(Elliptic Curve Cryptography)だ。NISTは量子コンピューティングを悪用した攻撃に耐えるための指針として3つのPQC標準を発表している。
2026年1月現在、企業が直面しているのは、「HNDL攻撃」だ。HNDLは「Harvest Now, Decrypt Later」の略で、攻撃者は標的データを「今収集」し、「後で(量子コンピューティングが使えるようになったら)後で解読する」。つまり、企業は早めにPQCの移行に着手し、将来のビジネスを守るために、今のうちにセキュリティの強化を図らなければならないということだ。以下で、量子コンピューティングを悪用した攻撃による具体的な脅威を見てみよう。
PQCへの移行には、数年にわたる計画的な取り組みが必要だ。以下に、PQC移行を成功させるためのステップを紹介する。
企業がデータ保護を強化するには、対象のデータがどこにあり、現状どのように保護されているかを把握しなければならない。
量子コンピューティングを悪用した攻撃を受けた際のリスクを分析し、優先順位を付けてセキュリティ対策を講じる。
PQCの実装に向けたインフラ要件を検討し始める。既存のハードウェアが、PQC導入に向いているかをテストする。その後、以下の手法のいずれかを実装する。
PQCへの移行は戦略的な決定で、経営陣の支持が必要になる。経営陣の支持は以下を達成するために重要だ。
PQCに関する従業員向け教育は、以下のグループを対象とする。
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