1281室の備品管理を「数分」で 新宿ワシントンホテルが挑んだ“棚卸改革”重量センサーで発注を自動化

都内の巨大ホテルの現場を疲弊させたのは、月3日を要する「目視の棚卸」だった。新宿ワシントンホテルはアナログ運用をどうデジタル化し、現場の負担を減らしたのか。

2026年01月28日 12時00分 公開
[CaseHub.NewsTechTargetジャパン]

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 新宿ワシントンホテルを運営する藤田観光は、在庫管理の自動化を目的に、スマートマットが提供する「スマートマットクラウド」を採用した。2026年1月26日、スマートマットが発表した。同ホテルは、本館1281室におよぶ膨大なアメニティ類の管理をデジタル化することで、棚卸工数の大幅な削減と発注業務の効率化を実現した。今後は取得したデータを活用し、季節変動に合わせた在庫の最適化や、グループ全体への展開を目指す。

新宿ワシントンホテルが抱えていた課題や、スマートマットクラウド導入効果

 新宿ワシントンホテルは、ビジネスや観光の拠点として国内外から多くの宿泊客を迎える大型ホテルだ。同ホテルでは、1281室分の膨大なアメニティや備品を限られた人員で管理しており、在庫管理スキルを持つ人材の不足が課題となっていた。従来の棚卸作業は、月に1回、2名体制で3日間を要しており、現場の大きな負担となっていた。また、発注業務もホワイトボードや手書きの記録に頼るアナログな運用で、目視確認のための往復やヒューマンエラーのリスクが常態化していた。

 こうした背景から、同ホテルは人手をかけない在庫管理の検討を開始した。JTB商事からの提案をきっかけに、重量計で在庫を検知するスマートマットクラウドに着目。すでに現場で行っていた「重量で個数を推定する」という運用をそのままデジタル化できる点や、ホテルの既存の業務フローに円滑に組み込める点を評価し、採用を決めた。

 導入後は、フロントで配布する歯ブラシやカミソリといった回転の早いアメニティ類を中心に運用を開始した。スマートマット上に置かれた在庫の重量がリアルタイムで計測され、あらかじめ設定した閾値を下回ると自動で通知される仕組みだ。これにより、設置品目に関してはCSVデータを確認するだけで棚卸が完了するようになり、作業時間は数分に短縮された。また、データに基づいて発注判断ができるようになったことで、担当者が倉庫へ在庫確認に行く手間も解消された。

 副次的な効果として、精神的な負担の軽減も挙げられている。計量や計算が自動化されたことで、数え間違いや計算ミスへの不安が払拭された。同ホテルでは、蓄積された使用実績データを分析することで、繁忙期や閑散期に応じた適正在庫の算出も可能になっている。

 今後は、管理対象を帳票類や清掃用資材へ拡大するほか、別館や各フロアの備品ステーションへの展開も検討している。藤田観光新宿ワシントンホテル本館宿泊課長の篠原竜太郎氏は、「今後はホテル全体での一元管理を目指す。さらに、各拠点の在庫状況を可視化し、グループ全体の在庫やコストの最適化、発注の標準化につなげていきたい」としている。

(※)この記事は本多和幸氏と谷川耕一氏によるIT事例メディア「CaseHub.News」に掲載された「新宿ワシントンホテル、在庫管理の自動化で棚卸工数を削減 データ活用で適正在庫を維持」(2026年1月27日)を、TechTargetジャパン編集部で一部編集し、転載したものです。

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