「エンジニア不足」と叫びながら、経験豊富なベテランが「年齢フィルター」だけで弾かれている実態がある。企業がベテランを排除するコストと、生き残るシニアエンジニアの条件を読み解く。
IT人材の不足が深刻化する中、経験豊富なシニアエンジニアの活用が急務となっている。しかし現場の実感としては、「年齢」が依然として大きな壁になっている。
シニアエンジニア特化求人サイト「レガシーフォース」を運営するモロは2026年1月、40代から60代のITエンジニア600人(各年代200人)を対象にインターネット調査を実施した。その結果は、企業の採用戦略における致命的な問題を示唆している。
採用や案件選考の場面において、63.8%のエンジニアが「年齢を理由にした選別がある」と回答した。この傾向は40代から60代まで一貫しており、「年齢選別を全く感じない」と答えた人はわずか4.7%に過ぎない。多くの企業が、実力や経験を見る前の段階で、年齢というフィルターによってベテランを門前払いしている実態が浮き彫りになった。
現場のエンジニアは、年齢というフィルターではなく、具体的に何を評価軸にすべきだと考えているのか。
「エンジニアとして評価される際、最も重視されるべき項目」を聞いたところ、「年齢や在籍年数」と答えたのはわずか2.7%だった。これに対して、最も多くの支持を集めたのは「現場での判断力、設計力、品質への責任」(42.7%)だ。次いで「過去の経歴や成果」(23.8%)、「最新技術へのキャッチアップ力」(20.7%)が続く。
この結果は、シニア層が過去の栄光や年功序列ではなく、現在の実務能力とアウトプットで勝負したいという強い意志を持っていることを示している。システム開発の現場では、突発的なトラブル対応や、複雑な要件定義における「落としどころ」の判断など、経験に裏打ちされたスキルが求められる場面がある。これらは最新のプログラミング言語を覚えたばかりの若手や、学習データに基づいた回答しかできないAI(人工知能)botには代替しにくい領域だ。企業は「年齢」というバイアスにとらわれ、この「判断力」という資産をないがしろにしている可能性がある。
若手エンジニアに対する感情は一様ではない。「自分も学び続けなければと刺激を受けている」(37.7%)、「スキルや吸収力を尊敬している」(33.0%)といった肯定的な回答が多く寄せられた。一方で、「経験不足や判断の浅さを感じる場面がある」(33.7%)という指摘も同程度あり、対等なパートナーとして認めつつも、ベテランならではの視点で補完する必要性を感じている様子がうかがえる。
AI技術や若手の台頭による自身の立ち位置の変化については、44.7%が「学び続ければ今後も問題ない」と回答し、前向きな姿勢を見せた。若手エンジニアがAI技術を活用することについても、「基礎学習と並行して使えば学習効率を高める」と肯定的に捉える声が37.8%を占めた。
現場レベルでは世代を超えた協業が成立しつつある一方で、採用の入り口には依然として年齢の壁が存在する。深刻な人材不足を解消するには、採用市場と現場の温度差を埋め、年齢というフィルターを外して個々のスキルや適応力を直視できるかどうかが、今後の企業の技術力を左右するだろう。
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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。
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