情シス転職では、求人票だけで企業の実態を見極めるのは難しい。情シス採用を12年間支援してきた筆者が、採用が上手い企業に共通する特徴を紹介する。
情報システム部門(情シス)の転職では、「選考を受けている企業はどのような企業か」を求人票だけで見極めるのは難しいものです。では、その企業が「転職しても失敗しない企業」かどうかを判断するには何を見ればよいのでしょうか。
私は転職エージェントとして12年間、多くの情シス転職を見てきました。その立場からすると、「採用活動そのものに、その企業の“情シスへの向き合い方”が表れる」と考えています。
今回は、「情シス特有の転職の難しさ」、そして「採用が上手い企業にはどのような共通点があるのか」を紹介します。
情シス転職は、営業職やエンジニア職と比べて入社後のミスマッチが起きやすい職種だと考えています。
理由の1つは、情シスの仕事が「何をしているのか」が外から見えにくいことにあります。
営業部門であれば売り上げ、開発部門であればプロダクト開発といったように、成果や役割が比較的イメージしやすいです。一方情シスは、社外向けのプロダクト開発とは異なる、企業全体を支える役割が中心になります。
そのため、企業側が「何を期待して情シスを採用したいのか」を整理し切れていないまま、なんとなく採用活動が始まってしまうケースも少なくありません。
特に情シスは、
といった、正解のない調整や意思決定を求められる場面が多い職種です。
だからこそ、経営層や現場が“情シス像”をどのように捉えているかによって、入社後の働きやすさは変わります。
逆に、採用の段階から情シスの役割や期待値を言語化できている企業は、入社後のコミュニケーションや意思決定も比較的スムーズなケースが多い印象です。
その意味でも、情シス転職では「求人票に何が書いてあるか」だけではなく、採用活動そのものを見ることが重要です。
では次からは、企業選びの目利きポイントを3つ紹介します。
私がこれまで転職支援で関わってきた企業はベンチャー企業が中心で、総従業員数は合計数千人にのぼります。その経験から言えることですが、企業が採用活動に本気で向き合っているかどうかは、すぐに見極められます。
特に従業員数300人規模の企業では、社長をはじめとする経営層が選考に直接加わるケースが目立ちます。
採用が上手い企業には、共通した傾向があります。経営層が自発的に採用に関与しているか、あるいは人事部門が経営層をうまく巻き込んでいるかのどちらかです。いずれにせよ、気付けば意思決定層が採用プロセスに深く関わっている。そういう企業は、採用力が高いと感じます。
前述した通り、情シスポジションは営業部門や開発部門と比べると、経営層から業務内容や重要性を理解されにくい職種です。そのような中でも経営層が情シス採用に向き合っている、というのは重要なポイントです。
普段から従業員を大切にしている企業は、選考プロセスにおけるコミュニケーションや配慮を徹底しています。
そのような企業は、採用や不採用という判断までの意思判断や連絡の迅速さに特徴があります。
具体的には、「各選考の目的や意図が明確であり、後半の選考で手戻りが発生しない」こと、「スケジュール調整が早い」ことです。
前者については、最終面接の段階になって「家が遠いから」といった初期段階で分かるような理不尽な理由でお見送りになるような手戻りが発生しません。こういった事例を経験したことがありますが、このような判断を下す企業に転職希望者を紹介したいと思うエージェントは世界中を探してもなかなか見つからないと思っています。
後者については、面接の調整やレスポンスが早い企業は、選考への本気度が高いと言えます。調整に時間がかかるのは仕方がないことではあります。しかし、選考の意図が明確でレスポンスが早い企業には、ファンが多いです。そのような企業は結果的によい人材と出会える確率が上がります。候補者に配慮できる企業は、社内の意思決定やコミュニケーションのスピードも徹底されているため、入社後に後悔する確率は低くなります。
情シスの仕事は外から見えにくいため、採用要件を人事部門と共有するのは時間がかかる作業です。「どのような人材を求めているのか」を言語化できてないまま採用活動が進んだ場合、採用活動や採用後の受け入れ、評価において問題が発生しやすくなります。
逆に、情シス採用や入社後の運用がない企業で、「分からないことを分からない」と言い切れる企業や、新たな採用を機に「社内の制度を作っていきたい」と動くことができる企業は魅力的です。採用要件を中途半端に理解したまま的外れな指示をしてくる企業は避けるのが賢明です。
今回は、情シス採用について、上手くいっている企業の特徴をまとめてみました。
最近は転職エージェントを使わず、企業からのスカウトやリファラル採用の仕組みを使って転職される方も増加傾向です。ただ、今回挙げた特徴は、採用方法を問わず選考を通じて目にすることがあるポイントになっているかと思います。企業との接点が生まれたタイミングで、企業選びの判断軸として活用していただけるとうれしく思います。
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