2008年07月31日 08時00分 UPDATE
特集/連載

バックアップ回線は企業の生命線【第1回】第二の回線で作る「止まらないネットワーク」

ITへの依存度が高まる中、ネットワークの継続性は欠かせなくなった。万が一に備え「止まらないネットワーク」を構築することは、企業の喫緊の課題といえる。バックアップ回線による耐障害対策について紹介しよう。

[井上猛雄]

 最近では、「BCP」(Business Continuity Plan:事業継続計画)の観点から、企業存続のために、いかに事業資産を守るべきかということも注目を集めている。BCPとは、自然災害・火災・テロなど不測の事態に対し、事業資産の損失を最小限に食い止め、迅速に業務を復旧、再開する計画のことだ。自然災害の多い日本では、こうしたBCPに対する関心は高い。そこで、万が一に備えて「止まらないネットワーク」を構築することは、今や企業規模を問わず喫緊の課題といっても過言ではないだろう。

 では、どのようにしてこのようなネットワークを構築していけばよいのか。内閣府の事業継続ガイドラインによれば、業務を支える情報システムの回線・電源を冗長化の第一のポイントとして挙げている。停止しないネットワークを構築する一般的な手法は、バックアップ回線を用意し、万が一ネットワークに障害が起きても、正常に通信できるように準備しておくことだ。これは、あらかじめ2本の橋を川にかけておけば、たとえ1本が災害で流されてしまったとしても、もう1本の橋で対岸に渡ることができるのと同じ理屈だといえる。

 実際にミッションクリティカルなシステムを持つ企業では、いわば「ころばぬ先のつえ」の保険として、こうしたバックアップ回線を準備しているところが多い。とはいえ、バックアップ回線を用意している企業でも、帯域の問題を考慮に入れる必要があるかもしれない。ある企業では、障害が起きていざ回線が切り替わったとき、広帯域を必要とするアプリケーションが極端に遅くなって、業務に支障が出てしまったケースもあるという。最近ではブロードバンドの進展によって、安価で高速な回線をバックアップ用途にも利用できるようになった。従来の低速なバックアップ回線を見直す時期に来ているのではないだろうか。

 一方、中小・中堅企業の場合はどうか。まだまだバックアップ対策を講じていない企業が大多数を占めているのが実情だろう。というのも、具体的にどのように回線を冗長化すれば有効であるか、企業規模に合った最適構成やサービスがよく分からないことに加え、導入コストが大きな問題になることも多いからだ。バックアップ回線というと、普段あまり使わない「眠ったネットワーク」というイメージが強く、とかく無駄な固定コストと思われがちだ。導入がどうしても後手に回ってしまうこともうなずける。だが、こうしたバックアップ回線のコストを抑えつつ、その回線を積極的に活用できる方法もある。

 本特集では、回線を冗長化する際に、どのようなサービスを有効に使うべきかを紹介していく。もし現在、まだメイン回線しか導入していないのならば、BCPや信頼性の観点から、この機会にぜひ一度バックアップ回線を見直していただきたい。災害やトラブルに強い、止まらないネットワークの導入は企業にとって大きな財産となるはずだ。

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