最低限やるべき10項目
災害時に備えた事業継続プラン策定のノウハウ
台風シーズンの到来間近。災害復旧/事業継続プランの策定は、今や必須課題となっている。
事業継続のための災害復旧プラン確立は、会社を揺るがしかねない問題だ。ネットワーク障害、ダウンタイム、従業員多数が社外で仕事をする事態に備えておくことは、選択の余地がない必須事項となっている。Verizon Businessは最近、災害時における事業継続保証のための10項目を発表したが、やるべきことはまだたくさんあると指摘する。10項目のほとんどは常識的なことに思えるが、Verizon Businessの管理型ビジネスアプリケーション担当エグゼクティブディレクター、バリー・ジップ氏によると、準備が後手に回っている組織もまだ多いという。
備えが不十分なまま災害が起きた場合、減収や生産性低下、ブランドイメージの低下といった、企業が避けたい事態を招く可能性があるとジップ氏は言う。にもかかわらず、In-Stat/MDRが2006年12月にまとめた報告書「Business Continuity and Disaster Recovery Needs to Resonate Among U.S. Business」によれば、災害復旧アプリケーションを完全実装している企業は約28%のみ。計画がまったくないか、聞いたことがないという企業は20%に上った。
「基本的な災害復旧の手順を定めているところは多いが、きちんと文書化された、包括的な事業継続プランを持っているのはごく一部にすぎない。このプランの確立には本当に時間がかかる。危機的状況の中で確立できるようなものではない」とジップ氏。
Verizon Businessの継続サービス責任者、ジョナサン・グエン-ダイ氏は、これは簡単でも、手っ取り早くできるものでもないが、必要だとの見方で一致する。
「ほぼ1年がかりのプロセスだ」と同氏は話し、1年でカバーできるのは限定的な範囲にとどまり、完全な包括的プランにはならないと言い添えた。
ジップ氏によると、企業にとって1つの障壁になるのは、どこから手を付けたらいいのか、災害復旧/事業継続プランを策定、実装するにはどんな手順を踏めばいいのか分からないことだ。
Verizonはこのほど、災害復旧/事業継続モードへの円滑な移行のために取るべき手順を提案。計画立案に当たってはネットワークが極めて重要だが、手順の多くは従業員に最悪の事態に備えてもらうことに関するものだという。
Verizon Businessによると、災害復旧プラン策定と実装のために企業がすべきことは以下の通り。
- 先を見越した包括的プランの策定。ジップ氏によれば、災害復旧と重要なビジネスプロセス継続のための計画を事前に作成しておくことが、最も重要な手順になる。危機的状況の真っただ中で計画を作ろうとすれば、混乱を助長しトラブルを招くだけだと同氏は言う
- リスク評価。業務上、財務上のリスクに加え、ネットワークとビジネスモデルの両方を加味してリスクを判定する必要がある。調和の取れたネットワークと継続プラン立案が不可欠だとジップ氏。決定は、リスク管理の原則に基づいて下す必要がある。重要なビジネス機能とプロセスを洗い出し、シームレスな運用を保証するための資産を導入しなければならない
- ベストのパートナー。リソースを完備して迅速に対応し、復旧と継続の取り組みを支援してくれるビジネスパートナーを選ばなければならない
- 重要なネットワーク、システム、アプリケーションの保護。重要なネットワークコンポーネントとアプリケーションをすべてリストアップし、脆弱性を評価しておく必要がある。壊滅的な障害を避け、復旧にかかる時間を短縮できるよう、これに基づきサービス拠点として最適の場所を決めることが最も望ましい。設備拠点を物理的に移すことからアウトソーシングまで、選択肢はいろいろある
- 最大限のメリットをもたらすネットワーク導入。ROI(投資収益率)を保証しながら帯域幅ニーズを満たせるコスト効率が高いネットワークを開発・実装するよう、Verizonは促している
- 重要業務をサポートするための予備構築。多様なネットワーク経路選定と、ミッションクリティカルなアプリケーションを複製できるようにしておくことは、コミュニケーションと業務継続のために必須となる
- ネットワークベースのサービス利用。グエン-ダイ氏によると、サービスの迅速な復旧のためにネットワークベースのサービスは不可欠だ。障害が起きた場所から別の場所への切り替えがすぐにできれば、全体的な事業継続にとってプラスになる
- いつでも、どんなときにもユーザーの生産性を維持。リポートアクセス、アラート通知サービス、カンファレンスといったアプリケーションにより、復旧時間が短縮され、従業員が守られる可能性がある。複数のコミュニケーション方式を取り入れれば、組織は接続状態を維持できる
- 従業員の研修。ジップ氏によると、会社の真価は社員で決まる。業務を分散させた効率的なビジネスモデルを設計し、災害時にどこからでも仕事ができるよう、従業員を研修しツールを提供する必要がある。Verizonは、事業継続に必要な人員を割り出すためのスキル評価実施を提案している
- 継続的な見直し、テスト、刷新。計画をいったん策定したら、何度もチェックを繰り返さなければならない。災害復旧と事業継続プランは生きた文書であり、1年を通じた定期的な更新と見直しが必要だ
グエン-ダイ氏は「事業継続は製品というよりもプロセスの要素が大きい。最も見過ごされがちな要因は時間だ。事業継続のためのツールは導入し、理解し、慣れるまでに時間がかかる」と話している。
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