プロジェクトの成否がその企業経営に強く影響する場合、そのプロジェクトの状況を正確に把握したいというニーズは、現場だけでなく経営層にも広がる。経営層がプロジェクトに対して的確な判断を下すために必要な機能とは?
日本オラクルは、企業の基幹業務を管理する包括的なグローバルビジネスアプリケーション統合スイートとして「Oracle E-Business Suite」(以下、Oracle EBS)を展開している。Oracle EBSは、基幹業務を実行、管理するさまざまな業務モジュールで構成されており、会計から人事、販売、調達、顧客関係管理(CRM)、サプライチェーン計画、生産管理、ガバナンスリスクコンプライアンス(GRC)などの幅広い業務領域をカバーしている。そして、今回紹介するプロジェクト管理製品群「Oracle Projects」もまた、Oracle EBSの業務モジュールの1つとしてその製品体系の中に組み込んでいる。
とはいえ、Oracle ProjectsはOracle EBSの中に組み込まれたモジュールというわけではなく、単体でもプロジェクト管理ツールとして十分活用できる機能を備えている。同社がOracle EBSの業務モジュールの1つとしてOracle Projectsを提供する背景には、「プロジェクト管理ツールは、現場のプロジェクトマネジャーだけでなく、経営層を支援するためのソリューション」という基本コンセプトがベースにある。
同社のアプリケーション事業統括本部 担当ディレクターの桜本利幸氏は「今、多くの企業で課題となっているのが、受注したプロジェクト案件が赤字プロジェクトに陥っていても気が付くまでに時間がかかるという問題だ」と説明する。これは、経営層がプロジェクトに携わる「ヒト、モノ、カネ」の現状をリアルタイムに把握できていないことが原因だという。特に、長引く不況の影響でプロジェクト案件の数が減少し、利益率が低くなってきている。さらに為替や原材料費の変動が激しい環境の中では、大規模かつ長期間のプロジェクトになればなるほど「フロントエンドのプロジェクト管理ツールだけでは、本当の意味でのプロジェクト管理はできない」と桜本氏は指摘する。
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