プロジェクト管理にも使われる万能ツール「Excel」。しかし、Excelを使用するとプロジェクトのリスクが高くなることもある。Excelの弱点とプロジェクト管理専用ツールの導入メリットをマイクロソフトに聞いた。
本連載ではプロジェクト管理(PM)ツールを提供するベンダーを取材し、その製品の特徴を紹介していく。今回はマイクロソフトの「Microsoft Office Project 2007」(以下、MS Project)を取り上げる。
MS Projectの一番の競合製品は、同社の「Microsoft Office Excel」(以下、Excel)だ。TechTargetジャパンが2008年に実施した読者アンケートでは、プロジェクト管理で一番使われているのはExcel(67.8%)で、次いでMS Project(44.8%)が続くという結果だった(※複数回答)。また、Excelを使用する理由については「既にあるツールだから」「ほとんどの人が使ったことがあるため分かりやすい」という答えが多かった。しかし、Excelを使用した場合の満足度については「不満を持つ」と回答した会員が約60%に上った。
マイクロソフトのインフォメーションワーカービジネス本部 IWソリューションマーケティンググループ エグゼクティブプロダクトマネージャ、相場宏二氏は「Excelでプロジェクト計画を策定すると、実効性に乏しい“甘いプロジェクト計画”になる可能性が高い」とその弱点を指摘する。
相場氏によると、多くのプロジェクトではExcelによって工程管理表を作成しており、その中には独自に作成したマクロ機能を駆使し、プロジェクト計画の策定やその管理を行うプロジェクトもあるという。しかし、同氏はExcelの機能だけでプロジェクトを詳細に計画し、正確に管理することは難しいと指摘。「Excelで工程管理表を作成した場合はリソース管理(要員管理)のために要員情報を格納するデータベースを別途作成する必要があり、また精度が高い管理ができるとは言い難い」と説明する。
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