ローコード開発は、効率的で迅速なアプリケーション開発を実現する手法だが、全ての開発ケースに適しているわけではない。ローコード開発とスクラッチ開発それぞれが適するユースケースを解説する。
開発効率を向上させる技術として注目を集めている「ローコード開発」だが、従来のスクラッチ開発と単純に二者択一で考えるのではなく、両者の特性を理解しつつ、適切に使い分けることが重要だ。業務プロセスことに最適な開発手法を見極めることが成功への鍵となる。本稿は、ローコード開発とスクラッチ開発それぞれが適する具体的なユースケースを解説する。
ローコード開発が有効なユースケースとして以下のようなものがある。
従来のスクラッチ開発が向いているユースケースは以下の通り。
大半の開発者は、既に一部のワークロードにローコード技術を取り入れている。例えば、IDE(統合開発環境)のソースコード自動補完機能や、変数名の自動入力機能は、広義ではローコード技術と言える。外部モジュールやサードパーティーのAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)を利用して機能を統合する手法も、ローコード開発に近しい考え方だと言える。このように、スクラッチ開発に依存せずに、既存の技術を適切に活用することで、開発効率を高めることが可能だ。
「WordPress」「Drupal」などのCMS(コンテンツ管理システム)も、ローコード開発とスクラッチ開発の境目を曖昧にする一例で、ほぼコーディングの必要なく基本的なWebサイトを構築することが可能だ。
一方で、大規模なeコマース(EC:電子商取引)サイトやソーシャルメディアハブ(複数のSNSを集約したWebサイト)など、高度なカスタマイズが求められる場合では、スクラッチ開発が適している。
開発プロジェクトの多くは、スクラッチ開発とローコード開発のハイブリッドアプローチが適している。近年、開発ツールはローコード向け機能を強調しているが、ローコード開発だけでは、企業のニーズを完全に満たすことは難しいと考えられる。
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