本稿では、調査会社が発表した2012年以降の市場動向予測から、ストレージやサーバなどデータセンター関連分野のトピックを紹介する(関連記事:市場調査から探る2011年データセンタートレンド)。
IDCジャパンは2012年1月、製品分野別に2015年までの市場予測を発表した。
2011年3月の東日本大震災を受け、データ保護や事業継続計画(BCP)/災害復旧(DR)に対する関心が高まり、バックアップや遠隔レプリケーションなどのストレージソフトウェアにも注目が集まったといえる。
同社は2012年1月17日、「国内ストレージソフトウェア市場動向および予測」を発表した。それによると、同市場の2010年〜2015年の年間平均成長率は4.0%で、2015年の市場規模を803億円と予測している。
また、同社は「ITシステムの災害対策に関しては、対策内容と必要なコストにギャップがある場合、これまでは多くの企業が検討のみで終わることがあった」と分析。しかし、東日本大震災後は「自社の予算内で実装できる対策だけは実装しておこう」という意向を持つ企業が増えたと説明する。
さらに、ビッグデータ活用が中長期的にストレージソフトウェア市場に影響を与えると予測。今後、企業の保有する業務データやトランザクションデータの分析が進むことで、「従来のストレージ環境を見直し、その効率化のためにストレージソフトウェアを採用する企業が増える」と説明している。

IDCジャパンは2012年1月18日、「国内Storage as a Service市場 2010年の分析と2011年〜2015年の予測」を発表した。IDCが定義するStorage as a Serviceとは「ハードウェアやソフトウェアなどのストレージ製品を販売することなく、その利用のみを提供することで対価を得るサービス事業」を指す。同社の発表によると、同市場の2010年〜2015年の年間平均成長率を10.3%、2015年の市場規模を369億円と予測している。
2010年は、ITベンダーのクラウドサービス事業参入や「Amazon Web Services」の利用拡大などで、その市場成長率が上昇したと説明。さらに、2011年3月の東日本大震災以後、クラウドサービスを利用したデータ保護の需要喚起につながったと分析している。特に、オンラインバックアップサービスが市場に多く登場したことで、今後国内のデータ保護ソリューション市場でのシェアを拡大すると予測している。
IDCジャパンは1月23日、「国内ネットワーク機器市場のチャネル動向分析結果」を発表した。その発表によると、データセンターネットワークインフラとモバイル通信事業者向け分野が成長分野であるという。また、仮想化技術を活用し、クラウド化が進んでいるデータセンター分野では今後、「OpenFlow」などの新技術によってそのアーキテクチャの変革が進むと分析し、そうした技術を取り入れた製品が各ベンダーから提供されると予測している(関連記事:次世代データセンターネットワークを実現、OpenFlowとは何か?)。
米国の調査会社Gartnerは2011年10月、企業や組織にとって戦略的な重要性を持つと考えられるテクノロジーのトップ10を発表した。その中には「クラウドコンピューティング」「モバイルアプリケーションおよびメディアタブレット」「ビッグデータ」などと並んで、「超低消費電力サーバ」「インメモリコンピューティング」が挙げられている。
同社の発表によると、超低消費電力サーバは「一般的にモバイル端末で使用される低消費電力プロセッサを基盤に構築され、従来のシステムと比較して30倍以上の電力効率を持つサーバになる」という。まずは、「MapReduce」を利用する大規模な並列分散処理や静的なWebサイトの表示など、プロセッサ性能がそれほど求められない処理に採用されるとしている。
インメモリコンピューティングは、サーバに大量のメモリを載せて高速処理する方式。これにより、HDDよりも性能、熱排出などの要素において利点が得られるという。