【連載コラム】医療ITの現場から
電子カルテ普及の鍵を握るのは、既存ユーザーの満足度
現在の電子カルテの普及率を考えると、5年後には「開業医の2人に1人が電子カルテを使う」時代になる。マーケティング理論に基づいた場合、既存ユーザーの満足度が今後の普及促進の鍵を握るといえる。
新規開業の9割が電子カルテを導入する時代
2012年現在、診療所の電子カルテ普及率は約2割で、開業医の5人に1人が電子カルテを導入しています。新規の開業医に限定すると、その9割が電子カルテを導入するなど、普及は今後さらに増える傾向にあります。今や電子カルテは診療所経営には欠かせないシステムとなっています。
メディプラザを開設した2002年ごろを振り返ってみると、当時の電子カルテの普及率はわずか1%程度でした。現在、電子カルテの普及率の伸びは年間平均3~4%で推移しており、5年後には5割に近づくと予想されています。
イノベーター理論は電子カルテの普及にも適応できる?
新製品や新サービスの市場浸透の傾向を説明するマーケティング理論に「イノベーター理論」というものがあります。イノベーター理論では、製品購入の態度を購入が早い順に「イノベーター(革新者)」「アーリーアダプター(初期採用者)」「アーリーマジョリティー(前期追随者)」「レイトマジョリティー(後期追随者)」「ラガード(遅滞者)」の5階層に分類し、どのタイミングで急激に普及が進むかなどを統計的に理論化しています。
この理論に基づき考えると、ここ5年間で電子カルテを導入した医師は、いわゆるアーリーアダプターに位置付けられます。この層は流行に敏感で、新しいものに対する意識が高く、自ら情報収集を行って判断する人々と定義されています。電子カルテを購入した後、オピニオンリーダーとして導入の啓発活動をすることでその普及が急激に進むことがあり、電子カルテの普及の鍵を握っている層だといえます。
電子カルテがイノベーター理論の通りに普及するかどうかは、「既存ユーザーの満足度を満たしていけるかどうか」にあると思われます。
診療所向け電子カルテメーカーは市場に40以上も存在し、レセコンメーカーや医療機器メーカー、外注検査会社などさまざまです。自院にとって最適な電子カルテを選ぶことは難しく、その判断材料として既存ユーザーの評価が重要視されます。
電子カルテを選定する際、電子カルテの販売メーカーや代理店を介して、同じ地域や同じ診療科目で既に電子カルテを導入している診療所を見学させてもらうこともあります。また、以前は同僚だった医師などのアドバイスを参考にするケースもあります。特に、サポート体制やカスタマイズの柔軟性などの実績が重要だといわれており、それらに対する既存ユーザーの評価は、電子カルテの導入や選定において参考になるでしょう。
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